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連載小説 ストロベリーライフ

/8 赤い実たわわ、わわわ。 作・荻原浩 題字・画、佃二葉

=画、佃二葉

 わわわ。

 親父がハウスを始めた翌々年には、東京へ出てしまったが、帰省するたびに手伝わされていたからビニールハウスの中は見慣れている、つもりだった。

 顔にまとわりつく蜜蜂を払いながら、恵介(けいすけ)は蜂に問いかけるように心の声を言葉にした。

「なんだこれ」

 地面に畝(うね)をつくり、マルチと呼ぶ黒色のポリエチレンシートで土を覆っているのはトマトの場合と同じだが、その畝がやけに高い。

 畝と畝の間の狭い通路に足を踏み入れてみた。脛(すね)の上のほうまである。

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残り2836文字(全文3066文字)

荻原浩

さいたま市出身。成城大卒。1997年「オロロ畑でつかまえて」で小説すばる新人賞を受賞してデビュー。「海の見える理髪店」で第155回直木賞受賞。東京都在住。

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