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食生活で被ばく低減 原発事故前からヨウ素摂取

 東京電力福島第1原発事故の影響について、福島県などに住む18歳未満の子ども4410人を調査した結果、大部分の子どもが甲状腺がんの危険性を減らすのに十分な量のヨウ素を食品から摂取していたとする研究成果を、ひらた中央病院(同県)などのチームが米専門誌「サイロイド」に発表した。昆布などを多く取る日ごろの食生活により、事故時にも甲状腺被ばくを低く抑えられたのではないかとみている。

 ヨウ素は昆布やワカメ、ノリなどの海藻に多く含まれ、甲状腺が出すホルモンの材料になる。必要量を取っていると、甲状腺は満たされた状態となるため、事故で生じた放射性ヨウ素が体内に入っても、あふれて尿などに排出される。

 チームは事故翌年の2012年から15年までの間、事故後の健康影響を調べるため同病院を訪れた同県内や茨城、栃木県などの子どもたちについて、尿中のヨウ素量を調べた。

 その結果、尿1リットル当たり平均204マイクログラムと、世界保健機関(WHO)が摂取不十分とする尿中の基準値(同99マイクログラム以下)の約2倍となった。うち、84%の子どもは事故後に意識してヨウ素を多く取るようになったわけではないと回答。チームは「多くの子どもたちは事故前からヨウ素を十分摂取できていた」と結論付けた。一方、3%の子どもは50マイクログラム以下だった。

 事故後の住民の甲状腺被ばく量は、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故より著しく低いことが国連機関の報告で明らかになっている。

 同病院の坪倉正治医師は「一部食品の出荷制限など、事故後の対策の効果に加え、日ごろのヨウ素摂取が十分だったためではないか」と話している。【河内敏康】

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