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高額紙幣を突然廃止 市民生活影響、自殺者も

廃止になった旧紙幣の両替のため、銀行に列を作る人たち=ニューデリーで2016年11月11日午後5時18分、金子淳撮影

 【ニューデリー金子淳】インドのモディ政権が偽札対策などとして最高額の1000ルピー札(約1600円)と2番目に高額な500ルピー札を突然廃止し、市民生活に影響が広がっている。銀行には連日、新札への交換のため住民が殺到。地元メディアによると、10日にはタンス預金が無駄になると誤解した女性が自殺する事態に発展した。小額紙幣の不足から商店は閑散としており、経済成長にも影響しそうだ。

 「500ルピー札と1000ルピー札は価値のない紙切れとなる」。モディ首相は8日午後8時すぎ、予告なしにテレビ演説を実施。偽札や課税逃れ目的で隠匿された現金をなくすため、高額紙幣を約4時間後に廃止すると宣言した。

 政府は10日から新たに2000ルピー札と、新デザインの500ルピー札を発行。旧紙幣は年内に預金するか新札に交換するよう呼びかけた。だが紙幣不足を防ぐため、銀行の交換は1回4000ルピー、預金の引き出しは1週間2万ルピーに制限。このため手持ちの現金が足りなくなる人が続出し、地元メディアによると、混乱に乗じて旧紙幣を安く買う闇業者も出始めた。また南部テランガナ州では土地を売って得た現金540万ルピーが無価値になると思い込み、女性(55)が自殺した。

 首都ニューデリーでは10日以降、銀行に長蛇の列ができている。窓口に並んでいた事務員のディワーンさん(30)は「仕事を休んできたが、もう2時間待たされている」。1万ルピーのへそくりを抱える主婦、ニルマラ・シンさん(38)は「銀行口座がないので預金もできない。もう与党には投票しない」といら立ちをあらわにした。

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