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北斎も使った顔料でセシウム吸着 東大開発

 江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎の作品にも使われた青の顔料「プルシアンブルー」を活用し、放射性セシウムを効率的に吸着する「除染スポンジ」の開発に成功したと、東京大の坂田一郎教授らの研究グループが発表した。東京電力福島第1原発事故の除染などへの実用化が期待される。15日付の英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。

     この顔料は、北斎の代表作の一つ「冨嶽(ふがく)三十六景」でも使われている。放射性セシウムを吸着しやすい性質は以前から知られていたが、水に溶けやすく汚染現場で散布しても回収が難しいため実用化が進んでいなかった。

     研究グループは、紙の原料を極限まで細かくした次世代材料「セルロースナノファイバー」にこの顔料を結合することで、水に溶けやすい弱点を克服した。さらにスポンジ(発泡性樹脂)に取り込んで「除染スポンジ」を作成。昨年2月に福島県浪江町の農地約30平方メートルに数センチ角のスポンジ約1.5キロ分を土に混ぜて埋めたところ、4週間で土の中のセシウム量が最大で半分に減ったという。

     従来のセシウム吸着剤はコスト面の課題があったが、「除染スポンジ」は「家庭用の台所スポンジと大差ないレベル」と坂田教授。しかも、セシウムだけを吸着するため、海水を含んでいても使用できるうえ、吸着後に圧縮することで体積を約1%に減らすことができ、ごみの削減にも役立つという。【岡田英】

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