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「憲法9条違反だ」集団訴訟広がる 全国11地裁

安保法制は違憲だとして国を提訴するため、プラカードを掲げて東京地裁に入る原告や弁護団ら=東京都千代田区の東京地裁前で2016年4月26日、猪飼健史撮影
安保関連法訴訟の主な論点

 安全保障関連法は憲法9条違反だとして、市民らが国家賠償や自衛隊出動の事前差し止めを求めた集団訴訟が各地で始まっている。国側は国賠請求を棄却し、行政訴訟は却下(門前払い)するよう求めているが、原告の違憲主張に具体的には反論していない。駆け付け警護の任務が付与された部隊が20日に南スーダンに向けて出発するなど安保法制が具体化する中、司法がどこまで踏み込んだ判断を示すか注目される。

     昨年9月の法成立以降、個人が安保法の無効や廃止を求めた訴訟は、「裁判所の審判の対象にならない」などとして却下された。裁判所は、具体的な法律上の争いがある案件の中でしか法律の違憲性を判断できないとする判例があるためだ。

     各地の訴訟を支援する「安保法制違憲訴訟の会」の弁護士らは、こうした門前払いを避ける方法を検討。「憲法に反する安保法によって平和的生存権を侵害され、精神的な苦痛を受けた」とする国賠訴訟と、自衛隊出動の事前差し止めを求める行政訴訟の2パターンで提訴を呼びかけた。これまでに約3500人が原告となり、東京、大阪など全国11地裁に集団訴訟が起こされたという。

     国賠訴訟で国側は「原告は漠然とした不安感を訴えているにすぎない」と反論し、行政訴訟については「原告は差し止めを求められる当事者ではない」と指摘。集団的自衛権の行使は合憲とする政府見解を引用しているが、原告の違憲主張に対しては、争点とは関連しないため認否を明らかにする必要はないとしている。違憲訴訟の会共同代表の寺井一弘弁護士は「安倍政権は『憲法違反ではない』として強引に採決したのだから堂々と憲法論争をしてほしい」と語る。

     集団訴訟ではないが、関東地方の陸上自衛官は、同法に基づく出動命令に従う義務がないことの確認を求めて東京地裁に提訴し、「1993年の入隊時、集団的自衛権の行使を伴う命令に従うことに同意しておらず、出動義務はない」と訴えている。国は自衛官が後方支援部隊に所属することから「出動するとは限らない」と主張しているが、より具体的に反論するよう裁判長に求められている。【伊藤直孝】

    安全保障関連法

     憲法解釈の変更による集団的自衛権行使の容認や国連平和維持活動(PKO)拡充を柱とし、自衛隊法や事態対処法など10の法改正を一括した「平和安全法制整備法」と、自衛隊による他国の後方支援を認める「国際平和支援法」からなる。昨年9月に成立し、今年3月に施行された。

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