メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

【お知らせ】現在システム障害のため一部の機能・サービスがご利用になれません
どうなる米国経済

識者に聞く 「保護主義」現実的に困難 小林栄三氏 日本貿易会会長

小林栄三氏

 --トランプ氏勝利の受け止めは。

     ◆格差社会の広がりへの不安や怒りを抱える米国の民意が大きかったということを意味すると思う。また、幅広い層からの支持を得たという報道もあるので、(貧困層だけでなく)富裕層を含めて変革を求めているのが現在の米国の姿だと捉えることができる。一方で、新政権の政策への不安の声も多く聞くが、トランプ氏は実業家だ。実業界の人間は、理想のみでなく、現実にしっかりと即してものごとを決めていく。勝利してからのトランプ氏の発言はバランスの取れた穏健なものとなっていることから考えても、大統領就任後は、現実的で柔軟な政策を立案し、実行していくのではないか。

     --米国経済はどうなると見ていますか。

     ◆現時点では不透明な部分が多いが、はっきりしているのは「米国の経済を強くする」というメッセージだ。トランプ氏は実業界出身の人間として、そこに軸足を置いてやると思うし、金融市場の期待も高まっている。米国で事業をしている日本企業にとっても、新たな事業機会が生まれるのではないか。

     --ただ、通商政策については保護主義的な考えが強いです。

     ◆選挙期間中は、米国の労働者の雇用を守るため、メキシコ、カナダと締結している北米自由貿易協定(NAFTA)を見直し、輸入品に高関税を課すなどの貿易保護策を主張していた。だが、メキシコに新工場を建設予定の米自動車大手フォード・モーターが「米経済に影響を与える」と指摘したように、米企業の声は無視できないだろう。世界で戦う自国企業の経済活動を制限する政策は、現実的には非常に難しい。

     --環太平洋パートナーシップ協定(TPP)についても反対の姿勢です。

     ◆米財界でも「TPPを進めていこう」と考える人が多い。米国産業を支える財界人がTPPの重要性を説明すれば、トランプ氏も理解してくれるはずだ。日本はこれまで通り、米国を枠組みに残す方向で粘り強く交渉していくべきだ。日本の実業界としても、日米財界人会議など交流の場で働きかけ、(今の枠組みのまま)実現したいと願っている。【聞き手・浜中慎哉、写真・徳野仁子】=随時掲載


     ■人物略歴

    こばやし・えいぞう

     1972年大阪大基礎工学部卒、伊藤忠商事入社。専務などを経て2004年6月社長、10年4月会長。14年5月から日本貿易会会長。日米経済協議会副会長も務める。67歳。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 日産会長逮捕 ゴーン神話「数字の見栄え良くしただけ」
    2. 暴行容疑 元レスラー長与千種さんの髪つかむ 男を逮捕
    3. 高校野球 練習試合で頭に死球、熊本西高の生徒が死亡
    4. 日産 ゴーン会長を解任へ 「会社資金を私的に流用」
    5. 日産会長逮捕 再建神話、地に落ち 社員に衝撃と動揺

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです