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社説

政務活動費 不正広げた国会の責任

 地方議員の政務活動費(政活費)をめぐる不祥事に歯止めがかからない。市議12人が不正受給で辞任し、補欠選挙を行った富山市議会だけではない。宮城県議会で議長が同じ年に2代続けて辞任に追い込まれるなど、異常な事態が続いている。

     政活費は地方議員の活動費用を公金で補助する制度だ。宮城県議会の場合、議長が白紙領収書を用いて過大請求したり、私用のマッサージチェアの領収書を添付したりしていたことがわかり、辞任を表明した。

     同議会は、前議長も不正受給で6月に辞任したばかりというのだからあきれる。他の地方議会でも不適切な支出は際限なく発覚し続けている。極めて深刻な状況である。

     こうした事態を招いた最大の原因は地方議員のモラルの欠如にある。政活費を前渡しする方式の見直しや、領収書の例外無き添付・公開を義務づけるなどの対策はもはや待ったなしだ。

     ただ、国会にも実は責任がある。法改正で補助の対象を広げ、使い道をゆるめたことが不正を助長してしまったためだ。

     地方議員の経費補助は2000年に「政務調査費」として制度化された。使い道があいまいだとの批判はこの制度にもあった。それでも議員の調査研究活動に限られていた。

     ところが、地方議会側の要望を踏まえ12年に議員提案による修正という形で地方自治法の改正が行われた。支出目的に「その他の活動」が加えられ「政務活動費」に改称された。陳情、要請に使う経費などへの補助対象拡大が目的とされる。

     政党側は当時、政活費の使い道やルールは自治体が条例などで明確化すると説明していた。だが「その他の活動」の定義は非常にあいまいで、飲食への支出やカラ出張など議員の規律を低下させたことは否定できない。こうした懸念が十分、吟味されなかったのではないか。

     国会議員に関して無視できないのは、公的文書の発送や通信などにあてるとして、議員1人月額100万円の「文書通信交通滞在費」(文書通信費)が支給されていることだ。

     文書通信費は実際に何に使ったかを公開する義務はないため「政活費以上に不透明」だと批判されている。地方議員の費用補助の適正化をめぐり国会の対応が手ぬるいのは、文書通信費とのバランスを配慮したためではないか、との指摘すらある。

     公金を使う経費の補助について、国会、地方議会の双方が不明朗な制度でもたれあっているようでは問題だ。与野党は政活費の欠陥是正に向けた議論を進めるとともに、文書通信費の透明度も高めるよう、自らの襟を正すべきだ。

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