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社説

中間貯蔵施設 本格稼働へ態勢強化を

 東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の除染で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設(大熊、双葉町)の本体工事が始まった。

     県が建設受け入れを国に伝えてから2年余り、事故からは6年近くが経過している。中間貯蔵施設は福島復興の一翼を担う施設であり、これ以上の整備の遅れは許されない。

     政府には、作業の安全を確保しつつ、本格稼働に向けて着実に整備を進めてもらいたい。

     中間貯蔵施設は福島第1原発を囲むような配置で建設される。面積は約1600ヘクタールで、最大約2200万立方メートル(東京ドーム約18杯分)と推計される汚染土などを搬入し、最長で30年間にわたり保管、管理する。

     本体施設の着工が遅れたのは、約2360人いる地権者との用地交渉が難航していたからだ。当初は避難先が分からない人が多かった。環境省が用地取得契約を結んだ地権者数は10月末現在で445人、面積は約170ヘクタールにとどまっている。

     今回は、両町にある各7ヘクタールの土地に、汚染土の放射線量の測定施設や汚染土の貯蔵施設などを建設する。環境省は来年秋の貯蔵開始を目指しているが、貯蔵量は両町で計12万立方メートルと、本格稼働にはほど遠い。

     県内には現時点でも、仮置き場や民家の庭先など約15万カ所に、1200万立方メートルを超す汚染土が置かれたままになっているのだ。

     環境省は今年3月、2020年度までに最大で1250万立方メートルの汚染土を搬入可能との見通しを示したが、用地取得の拡大が大前提となる。そのためには、地権者に対し、施設の必要性を丁寧に説明し、了解を得ていくしかない。環境省の用地交渉担当は約110人だが、態勢を拡充していくことも必要だろう。

     用地交渉とともに、対応を急いでもらいたいのが、汚染土の減量や再利用に向けた技術開発だ。

     保管した汚染土は30年以内に県外に運び出すことになっているが、最終処分先はまだ決まっていない。

     放射性セシウムは細かい粒子に付着しやすい。汚染土の粒子を大きさ別にふるい分けたり、粒子を化学処理してセシウムを分離したりすることで、最終処分が必要な土壌の量を減らすことができる。

     環境省はこうした技術開発を進めた上で、放射能の濃度が低い土壌は公共事業の盛り土などに使う方針だ。しかし、社会的なコンセンサスが得られているとは言い難い。

     最終処分する時点で、どれぐらいの放射能レベルの土壌が、どれだけ残っているのかを見極めることが先決だ。それを踏まえ、最終処分先や再利用について、社会的な理解を得ていく手続きが求められる。

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