東京都の小池百合子知事は25日の定例記者会見で、都議会各会派の要望を受けて決める「復活予算案」を、来年度の予算編成から廃止すると発表した。復活予算案は都の慣例で、200億円規模。今後は希望する会派からヒアリングをすると同時に、業界団体などからの要望も聴取し予算案を作成するという。
都財務局によると、これまでの予算編成は事前に各会派から要望を聞いて原案を作成。その後、原案から漏れた項目について各会派から復活の要望を聞き、最終的な予算案を完成させていた。復活予算案は、各会派が業界団体や支持団体などから意見を聞いて要望するケースが多かったという。
小池知事は「(編成の)プロセスを情報公開する。都民の声を最大限予算に反映させるため、都民や各種団体から広く意見や要望を聞き、編成作業に生かしていく」と述べた。来年1月下旬の予算編成を目指し、来月にも各業界団体から直接、意見を聴取する場を設けるとした。
これに対し、都議会自民党の高木啓幹事長は「ともに都民代表である知事と議会の意思を予算にバランスよく反映させることを目的として、長年にわたり続けられてきた復活予算の仕組みを事前の説明もなく廃止することは、議会軽視と言わざるを得ない」との抗議文を小池知事側に渡した。【柳澤一男、川畑さおり】