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年金改革法案

衆院通過 賃金下落で支給減

 賃金の下落に合わせて年金支給額を引き下げる新たなルールを盛り込んだ年金制度改革関連法案は29日、衆院本会議で、自民、公明、日本維新の会の3党の賛成多数で可決された。民進、自由、社民の3党は退席、共産党は反対した。政府・与党は12月2日に参院で審議入りし、延長した14日までの国会会期内に成立させる方針だ。

     法案の柱は年金額の抑制で、賃金・物価に合わせてスライドさせる毎年の年金額改定について、2021年度から新ルールを導入する。物価が上がって現役世代の手取り賃金が下がった場合、現在は高齢者が受け取っている年金額を据え置いているが、新ルールは賃金に合わせて減額する。両方下がり、賃金の下落幅が大きければ、年金の減額幅は賃金に合わせる。

     民進党は「物価と賃金の低い方に合わせて年金額を変える年金カット法案だ」と追及するが、政府・与党は「アベノミクスによって賃金が上がり続けるようにする。年金改革法成立後すぐに年金額が下がるわけではない」と理解を求める。

     さらに、「マクロ経済スライド」を強化する。マクロ経済スライドは、少子高齢化が進む中、現役世代の負担が過大にならないようにするため、物価や賃金が上昇してもそのまま年金を増やさず、伸び幅を年1%ずつ小さくする仕組みだ。

     ただ、物価上昇時のみに適用してきたため、04年の年金改革で導入して以降、実施したのは15年度の1度だけ。この結果、年金額の抑制が利かず、現在の年金給付水準は、将来の高齢世代よりも相対的に高くなっている。

     このままでは年金財政がより厳しくなり、将来世代の年金給付水準は想定より低くなってしまう。そこで、18年度からはデフレで実施できなかった分は翌年度以降に持ち越し、物価上昇時にまとめて差し引く。将来の年金水準が低くなりすぎるのを防ぐ意味があり、政府・与党は「将来の年金水準確保法案だ」と反論している。

     ただ、年金給付水準が長期的に低くなっていくことに変わりはない。このため、政府は、消費税率を10%に引き上げた段階で、低年金者に対して最大年6万円の給付制度を創設する方針を打ち出している。

     一方、今の現役世代の老後資金確保策も相次いで打ち出している。10月には、国民年金より有利な厚生年金の加入対象について、従業員501人以上の企業の従業員に拡大。週20時間以上働き、月収8.8万円(年収約106万円)以上のパート労働者が新たに対象になった。

     来年1月には、公的年金に上乗せする私的年金の一つ「確定拠出年金制度」の加入対象を広げる。掛け金負担が必要だが、全額所得控除される。【阿部亮介】

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