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損保2社

認知症列車事故も補償 個人賠償保険を改定

三井海上火災保険本社

 誤って人にけがをさせたり物を壊したりして損害賠償責任を負った場合に備える「個人賠償責任保険」で、三井住友海上火災保険など損保2社が来年1月、これまで補償されなかった列車の運行不能損害を対象に加える。認知症の人が起こした事故で、家族が高額賠償を請求されるケースなどに対応する。保険の見直しでカバーされるケースは増えそうだ。

 きっかけは認知症の男性(当時91歳)が列車にはねられ死亡した2007年の事故。妻と別居の長男を「監督義務者」としてJR東海が運行遅延の損害賠償約720万円を求め、最高裁は今年3月に請求を棄却したが、家族がどんな場合に賠償責任を免れるのか明確に示さず、リスクが浮き彫りとなった。

 個人賠償責任保険の対象は、自転車で走行中に歩行者とぶつかってけがをさせた▽ベランダの鉢植えが落ち通行人が死亡した--など幅広い。保険金の上限は1億円が中心で、年間保険料は2000円程度。単独商品はほとんどなく、火災保険や自動車保険の特約として契約することが多い。

 ただし、個人賠償責任保険は、人の体の障害や物の損壊を伴う損害賠償を補償するもので、列車が運行できなくなることによる損害は「車両に物理的な損壊がなければ補償されない」(大手損保)。このためMS&ADインシュアランスグループの三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保の2社は来年1月、一部の火災保険特約で、誤って線路に立ち入るなどして列車を止めた損害も補償されるよう改定する。

 また、損保大手3グループは被保険者の範囲の拡大も進めている。個人賠償責任保険で補償を受けられるのは一般に、契約時に決めた「記名被保険者」と同居の親族、別居の未婚の子に限られる。MS&ADの2社は昨年10月、事故を起こした被保険者が重度の認知症など責任無能力である場合、その監督義務を負う別居の家族らも補償の対象に加えた。東京海上日動火災保険は今年10月に改定し、損保ジャパン日本興亜も来年1月に同様の改定をする。【渡辺精一】

 【ことば】認知症列車事故死

 2007年に愛知県大府市で認知症の男性(当時91歳)が1人で外出して列車にはねられ死亡。JR東海は「列車に遅れが出た」として男性の妻と別居の長男に約720万円の支払いを求めた。裁判は家族が男性に代わり賠償責任を負う「監督義務者」かどうかが争点となり、最高裁は今年3月、家族に賠償責任はないとして請求を棄却したが、特段の事情がある場合は監督義務者として責任を問われることがあるとし、その基準ははっきり示さなかった。

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