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自衛隊機飛行差し止め請求棄却 最高裁

上告審判決のため最高裁に向かう第4次厚木基地騒音訴訟の原告団=東京都千代田区で2016年12月8日午後1時18分、徳野仁子撮影

 厚木基地(神奈川県大和市、綾瀬市)の周辺住民約7000人が米軍機と自衛隊機の飛行差し止めと損害賠償を国に求めた「第4次厚木基地騒音訴訟」の上告審判決で、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は8日、自衛隊機の夜間・早朝の飛行禁止を命じた2審判決を破棄し、住民側の差し止め請求を棄却した。飛行差し止めについては住民側の逆転敗訴が確定した。2審判決のうち、過去の騒音被害に対する国の賠償を約82億円とした部分は既に確定していた。

 1、2審は米軍機飛行差し止めの請求は退けたものの、全国で初めて自衛隊機の飛行差し止めを認めたため、最高裁の判断が注目されていた。小法廷は、2審が今月末までの将来分の損害賠償として約12億円の支払いを認めた部分も破棄した。過去分の騒音被害を金銭で救済する従来の司法判断の枠組みに後退する内容となった。

 周辺住民らは当初、民事訴訟を起こし、騒音被害に対する損害賠償と米軍機、自衛隊機の飛行差し止めを求めていた。最高裁は1993年2月の1次訴訟判決で、差し止め請求を退ける一方で国の賠償責任を認め、全国の基地訴訟で賠償によって被害救済を図る司法判断が定着した。

 一方、93年判決は自衛隊機の運航が「防衛庁長官(当時)の公権力の行使に当たる」との判断を示し、行政訴訟であれば差し止めが認められる可能性を残した。このため住民側は4次訴訟で民事訴訟とともに初めて行政訴訟を起こした。米軍機に対する差し止め請求は却下されたが、1、2審で自衛隊機の夜間、早朝の飛行禁止が認められた。

 小法廷は、飛行禁止時間の延長を求める住民側と、差し止めの取り消しを求める国側の双方の上告を受理。審理対象を自衛隊機の差し止め部分に限定し、2審の結論見直しに必要な弁論を開いた。

 国は「米軍機の騒音を被害に含めるのは誤りだ」と主張。自衛隊の活動には公共性があり、夜間・早朝の飛行も防衛相の裁量権の範囲内にあるとした。

 一方、原告弁護団は「睡眠障害などの健康被害は金銭では回復できない。2審判決は深刻な被害を解消する第一歩」と強調。原告の住民は「爆音にさらされる状況は今も変わらない。飛行差し止めを認め、裁判を終わらせてください」と訴えていた。

 今回は、基地の騒音を巡る行政訴訟で初の最高裁判決となった。【島田信幸】

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