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日露首脳会談

共同経済活動、交渉へ 「領土」進展なし

共同記者会見に臨む安倍晋三首相(右)とロシアのプーチン大統領=首相公邸で2016年12月16日午後4時7分、徳野仁子撮影

声明で「平和条約締結に向けた重要な一歩」

 安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領は16日、首相官邸で約1時間10分会談した。両首脳は会談後、共同で記者会見し、北方領土での共同経済活動に関する交渉を進めることで合意したと発表した。両国は今後、漁業、海面養殖、観光、医療、環境などの分野で協議を開始する。懸案の領土問題では、プーチン氏が地域の安全保障情勢などを挙げて慎重な姿勢を改めて示すなど進展が見られなかった。

 両首脳は会談後、プレス向け声明を発表した。声明では「(両首脳が)共同経済活動に関する協議を開始することが、平和条約締結に向けた重要な一歩になり得るとの相互理解に達した」と明記。日本は法的立場を害さない活動を前提に特例的対応を求めているが、声明は「平和条約問題に関する立場を害さない」として、法的問題については不明確な表現にとどまった。

 声明はまた、「国際約束の締結を含む法的基盤の諸問題が検討される」としたが、「特別な制度」の文言は入らなかった。首相は共同記者会見で、共同経済活動で日露双方の共存が図れるとの考えを示した上で、双方の立場を害さない「特別な制度」に向けた交渉開始でも合意したと述べた。

 記者会見で首相は「互いの正義を主張し合っても問題を解決することはできない」と指摘し、「未来志向の発想が必要だ」と強調。プーチン氏も「歴史的なピンポンはやめた方がいい。共同経済活動に関する協力で最終的な解決に近づくことが大事だ」と訴えた。

 両首脳は、元島民が査証(ビザ)なしで北方領土を訪問する枠組みの改善に関するプレス向け声明も発表。「人道上の理由に立脚し、通過点設置と手続き簡素化を含む案を検討するよう指示した」と説明した。「ビザなし交流」の対象を経済関係者らに拡大することは盛り込まれなかった。

 外務省は16日、ロシア人に対するビザの発給要件を緩和すると発表した。観光目的の数次ビザを導入し、商用目的の数次ビザの期間も3年から5年に延長する。日本はウクライナ危機を受けた制裁で停止したロシアとのビザ緩和協議は行っていないと説明するが、事実上の制裁緩和となる。

 プーチン氏は16日夜、全ての日程を終え、大統領特別機で帰国の途についた。【前田洋平、真野森作】

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