ペルー日本大使公邸占拠事件20年

治安改善なお課題

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ペルー・リマの日本大使公邸から軍の特殊部隊に救出される人質=1997年4月22日、石井諭撮影
ペルー・リマの日本大使公邸から軍の特殊部隊に救出される人質=1997年4月22日、石井諭撮影

 【サンパウロ朴鐘珠】ペルー日本大使公邸占拠事件の解決を契機に、ペルーでは左翼ゲリラがほぼ壊滅し、国内経済は今日まで安定成長を遂げている。だが、大規模テロの脅威が取り除かれた一方で、経済成長によって生じた貧富の差が引き起こす窃盗や強盗などの犯罪は後を絶たず、治安改善は今も国民の最大の関心事だ。

 経済的に不安定な国が多い南米において、ペルーは優等生とみなされている。国内総生産の成長率は過去10年平均で約6%を記録。1990年に就任した日系2世のアルベルト・フジモリ大統領が導入した市場原理優先の政策がその後の政権にも引き継がれ、米国や中国など経済大国との自由貿易協定(FTA)を結んだことが奏功している。

 貧困層(収入が1日1・9ドル以下)が占める割合も2004年の約59%から、15年は約22%へと改善された。これと並行し、都市と地方での収入差や、地方から移住した貧困層による都市のスラム化、犯罪や麻薬のまん延が顕著になってきた。

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