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政府軍がアレッポ制圧 ロシアを後ろ盾に

アレッポの位置

 【カイロ秋山信一】6年近くに及ぶシリア内戦で、北部の激戦地アレッポを政府軍がほぼ制圧し、アサド政権を一貫して支持してきたロシアの存在感がさらに増すことになった。露軍は反体制派を支援する米国やトルコへの圧力にもなっており、シリア情勢はロシアを中心に動いている。

     アサド大統領は15日に発表した声明で、アレッポ制圧を「歴史的瞬間」と自賛した。全主要都市の支配権に続き、シリア全土の支配権奪還に向けて軍事作戦を続けたい考えだ。

     昨年9月の露軍介入は、劣勢だった政権側が息を吹き返す転機となり、アレッポ制圧も露軍の支援なしには困難だった。アサド氏は14日放送の露テレビ局とのインタビューで、「(アレッポ制圧後の戦略は)ロシアやイランの指導部と協議して決める」と述べ、ロシアが戦略に深く関与していることを認めた。

     ロシアは、国連安全保障理事会で政権側に厳しい内容の決議案に対して拒否権を再三行使。2013年8月に政権の化学兵器使用疑惑が浮上すると、政権が保有する化学兵器を全廃する案を提示し、軍事攻撃に踏み切ろうとした米国を翻意させた。

     一方で、その間も政権側への武器供与を続け、昨年9月には政権側を支援するための空爆を開始。在英の民間組織「シリア人権観測所」によると、露軍の空爆で多数の民間人を含む1万人近くが死亡。人道面で国際社会の非難を受けているが、一連の外交・軍事面でのシリア支援は確実に実を結びつつある。

     ロシアにとっても、アレッポ制圧はアサド政権の安定化に直結する大きな戦果だ。また、地中海沿岸に軍事基地を新設するなど、シリア介入は東地中海での露の影響力拡大にもつながっている。

     ただ、全土で「主権回復」を目指す政権と、ロシアには微妙な温度差もある。露政府内には、北・東部で実効支配を広げる少数民族クルド人に配慮し、一定の自治権を容認する「連邦制の導入」を主張する意見がある。15日に始まったアレッポからの反体制派撤退に関し、ロシアがアサド政権の頭越しに反体制派と直接協議した例もあり、露主導で内戦終結に向けた動きが出てくる可能性もある。

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