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変更点少ないセンター試験 駿台予備学校・石原賢一さん

大学入試の傾向について説明する駿台予備学校進学情報センターの石原賢一センター長=福田光朝撮影

 2017年度大学入試センター試験(1月14、15日)まで、あと1カ月を切り、受験生にとってはラストスパートの時期となった。17年度試験の特徴や、受験に際しての心構えなどについて、駿台予備学校進学情報センターの石原賢一センター長に聞いた。【浜名晋一】

    --2017年度入試の特徴は。

     一番大きいのは、変更点が少ないということです。15年度は数学と理科が新しいカリキュラムに変わって、16年度はその残りの国語や英語、地歴、公民が新しいカリキュラムに変わりましたが、17年度は比較的穏やかな年です。4年後にはセンター試験をやめ、記述式を入れるとか、英語で外部の検定試験を入れるとか言われている大改革が控えているので、そういう意味では、比較的落ち着いた入試だと思います。センター試験自体は日程が2日早くなっただけです。落ち着いた入試だし、システムも昨年度までと変わったところはありません。

    --16年度は文系人気が盛り返して、理系人気が底を打ったと言われていましたが。

     その傾向は継続しています。やはり文系の人気が高い。特に経済、経営、商学系と国際関係系の人気が高くて、法学部も人気が復活しています。一方、理系の人気は落ちています。特に医学とか薬学のメディカル系ですね。

     今、理系に進学するハードルが高いんですよ。センター試験の理科の2科目は高校で学ぶ全範囲から出ます。昔は前半からしか出なかった。そこまでやっておいて、センター試験が終わってから2次試験に臨む余裕がありました。しかし今は、理系に進もうという人は行きにくくなりました。

     首都圏の医学部志望者には適当な進学先がありません。北海道、東北では地域枠ということで地元優先の割合を増やしています。例えば、札幌医科大は20人しか一般枠がありません。そうすると非常に厳しい。しかし、千葉県成田市に国際医療福祉大の医学部ができるなど、医学部全体の枠は大きくなっているので。経済的に余裕のある層は私立に流れています。

     一方、西日本は地域枠の縛りがそんなにきつくありません。医学部の人気は堅調です。理系の中で人気が高いのは、電気、電子、情報、情報処理関係です。あとは土木、建築。これは東京五輪に対する公共投資や社会インフラの再構築に期待があるからです。ロボット関係の機械も人気があります。

    --センター試験の内容について、何か傾向はありますか。

     まだ、新テストの概要が発表されていませんが、17年度くらいから、試行テストが始まります。そうなると、先取りというか新テストに出るような問題、例えば、国語なら、グラフや写真、図表を読み取らして、答えを導くような問題など、新テストを先取りしたような問題がセンター試験に出てくるかもしれません。

     受験生にとって、今はいい時期です。過去問はあるし、変更点も少ない。改革の時は、やった努力がうまく実らない受験生がどうしても出てしまいます。システム的な変更にうまく対応できなかったとか、過去の傾向が変わってしまったとかですね。でも今回はそれがないから、ちゃんと努力した受験生はその通り、自分に利益が戻ってきます。

    --東大、京大の入試対策はどうでしょう。

     例年通り、どちらも2次試験のウエートが高い。しかし、センター試験も落とせません。東大は1対4の割合で2次の方のウエートが高いのですが、合格者の平均点は全体で見ると、センターは9割で、2次はそんなに取れない。そうすると、実際に取れている点数の比率で見ると、1対2・5くらいです。センター試験を落としてしまうと、なかなか逆転できない。センター試験でしっかり取って、2次試験の傾向は、ここのところ安定しているので、その対策を従来通りやる。東大も京大も過去問の傾向は変わっていないので、しっかり問題演習をやっていくことが大事です。

     17年度はセンター試験の日程が早いんです。ということは逆に2次試験までの期間は長い。今年はクリスマスも大みそかも正月もなしで勉強してほしいですね。年末年始でペースを崩したり、風邪を引いたりしたら、ちょっと厳しい。難関大志望者といえども、センター試験をきっちり取っていくことは大切です。

    --私立の志望状況はどうですか。

     私立も国公立と変わらなくて、工学、経済、経営、国際関係の人気が高い。早慶は受験者が増えそうです。入学者の割り増しの人数が厳しくなっているので、その影響が出ています。おそらく何年ぶりかで私立文系の浪人生の数は増えています。私立はその面では、厳しいかもしれません。早慶は厳しくなりますが、青山学院、東洋、立命館、近畿のように定員を増やす大学もあります。そういうところは16年度並みの合格者は出るでしょう。

    --新しい試験方式を導入する動きはありますか。

     英語の外部試験利用は一つの大きな特徴だと思います。新しいテストでは英語4技能(聞く、話す、読む、書く)の外部検定試験を導入すると言っています。ただ、募集人員が少ない。それから、条件は概ね英検2級以上程度が多いですから、資格を持っている人もたいしていない。だから、資格を持っている人はとても有利です。

     利用の方式はさまざまです。出願資格で一定のスコアを持っていないと、出願できないというパターンもあるし、英語の試験を免除する場合もあります。加点や見なし満点とするする大学もあります。今、この方式は急速に拡大中です。新しいテストと併用して英語4技能の試験を使うようになるので、そうなれば受験生全員に必要になります。今は募集定員の数パーセントですが、そうなったら、私立も圧倒的にこの方式を採用していくでしょう。

     駿台予備学校の調査では、英語4技能試験のスコアを持つ生徒の8割くらいが英検資格を持っています。ただ、2級以上を持っているのは、そのうちの半分以下くらいです。今のところは、持っている人が有利という話ですが、グローバル化の中で英語のコミュニケーション能力を持っている学生を入学させたいというのは、大学の思惑だと思います。

    --受験生へのアドバイスをお願いします。

     試験に大きな変化はないわけです。まだ英語の外部試験利用も主流ではない。だから、学習を進めるという面では、地道な勉強を続けていく受験生が勝ちます。過去問をしっかりやるとか、それで十分に対応できます。だから、準備はしやすい。ここ数年はカリキュラム改訂などがあったので、対応が難しかったのです。

     弱気にならないことも大切です。私立文系が厳しくなると言いましたが、長いスパンで見ると、昔と比べると緩い。弱気にならずに、第1志望の大学をしっかりと狙うべきです。偏差値が目標ラインから遠くても、成績は最後まで伸びますから分かりません。国公立もセンター試験が終わるまでは志望校を絶対に変えないことです。入試科目を減らしたり、レベルを下げると、成績はますます落ちます。

     それから、スマホとの付き合いも断ってほしい。現役で難関大に合格した学生はスマホをほとんど使っていません。特にSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)ですね。今は大学の出願もスマホでできるなど、いろいろなところに使えで便利ですが、SNSにハマると時間がすぐにたってしまうので、スマホとのうまい付き合い方が大事になるでしょう。

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