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社説

辺野古で県敗訴 政治的な解決に努力を

 司法の最終判断は下ったが、政治的な解決にはほど遠い。

     沖縄県・米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をめぐる国と県の訴訟で、最高裁は、埋め立て承認を取り消した翁長雄志(おながたけし)知事の対応を違法と判断した。これにより県の敗訴が確定した。

     最高裁の論理は、前知事による埋め立て承認に違法な点が認められない以上、それを取り消した翁長氏の処分は違法というものだ。

     今回の訴訟では、国防・外交にかかわる問題で国と地方の意見が対立した場合の判断や、沖縄県が辺野古新基地建設は地方自治を保障した憲法92条に反すると訴えたことについての憲法判断が注目された。だが、最高裁はこうした点にはいっさい言及せず、行政手続きとしての適否の判断に終始したと言える。

     確定判決には従うと言ってきた翁長氏は、近く埋め立て承認取り消しを撤回する見通しだ。22日には沖縄県・米軍北部訓練場の一部返還にあわせた式典が予定されている。政府は負担軽減をアピールして、辺野古移設に弾みをつけたい考えだ。これらを受けて政府は、移設工事を再開する方針だ。

     翁長氏は「あらゆる手段で移設を阻止する」とも語り、他の知事権限を動員して対抗する姿勢を見せる。

     ただ、辺野古移設の問題は、法律論をいくら戦わせても解決できないだろう。国と県が泥沼の法廷対立をしても、お互いの利益にならない。

     この問題は、前知事が県外移設の公約をひるがえして埋め立てを承認したことに県民が猛反発し、翌年の知事選で、移設反対派の翁長県政を誕生させたことに始まる。

     移設反対の民意が何度も示されながら、政府が前知事の承認を錦の御旗(みはた)のようにして移設を強行するのが、民主主義や地方自治の精神に照らして適切かが問われている。

     本質は行政手続きではなく、政治のあり方だ。政府は自らの手で解決を主導すべきだ。

     辺野古に建設予定の新基地や、北部訓練場の返還に伴い新設されたヘリ離着陸帯には、米軍の新型輸送機オスプレイが飛び交うことになる。

     名護市沖で起きたオスプレイの重大事故で、原因究明も終わらないまま飛行を再開させた日米当局の態度に、沖縄では反発が高まっている。政府が最高裁判決でお墨付きを得たとばかりに移設を強行してもうまくいかないだろう。

     政府は、話し合いで解決できないから裁判に持ち込んだと考えているようだが、形だけの対話姿勢を示していただけではないか。回り道のようでも国と県が再度、真摯(しんし)に話し合いをすることを求めたい。

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