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余録

今はあまり使われない夏の季語に…

 今はあまり使われない夏の季語に「霍乱(かくらん)」がある。お食事中の方は後で読んでいただきたいが、食中毒や日射病による吐き気や下痢の急性症状をいう。ふだん元気な人だと「鬼の霍乱」といわれる▲「毒消売(どくけしうり)」「定(じょう)斎売(さいうり)」など食あたりの薬売りもみな夏の季語で、食中毒は食材のいたみやすい暑い季節のものというのは今も常識だろう。ところがたとえば昨年の統計で食中毒の発生件数の最も多いのは1月、次いで2月である。逆に8月は2番目に少ない月だった▲その理由ははっきりしていて、冬はウイルスによる食中毒が多かったのである。逆に細菌によるものは梅雨時の6月が1年で最も多い。食品の保存技術や衛生水準が昔とは比べものにならない今日では、食に由来する「霍乱」は冬の季語に変えた方がよさそうである▲東京・銀座の高級レストランでノロウイルスによる集団食中毒が発生したとのニュースが流れたと思ったら、今度は宮城県で水揚げされたカキからノロウイルスが検出されて出荷が停止されたという。学校や保育園、福祉施設などの集団感染が各地で報じられている▲国立感染症研究所によると、ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の1医療機関あたりの患者数は昨年のピーク時の倍の水準に達し、4年前の流行時に迫っているという。すでに13都県で警報レベルを超えており、とくに子どもの感染が多いという今季の流行である▲冬の食中毒といえば昔は主にカキによるものだったが、この流行で今や産地ではウイルス検査までしていることが広く知られよう。あとは手洗いなど、できる自衛策に抜かりなきよう心がけたい。

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