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妊婦難民「奨励せず」 募集要項、批判受け削除

 混乱が続く中東シリアから周辺国に逃れた難民について、日本政府が留学生として受け入れる計画を巡り、受け入れ事業を進める国際協力機構(JICA)が、募集要項の中で「妊婦の応募は奨励しない」と規定していたことが分かった。専門家や人権団体から「男女平等の権利確保に反する」などの批判が相次ぎ、JICAは21日夜、規定を削除した。

 欧米諸国が人道上の措置として多くのシリア難民を自国に受け入れる中で、難民認定基準が厳しい日本は「難民鎖国」として批判を浴びている。こうした現状を踏まえ、日本政府はシリア難民の留学生として一時的に150人を受け入れることを決めた。

 このうちJICAは5年間で100人を受け入れる計画で、来年度の20人について募集を始めた。

 対象はヨルダンまたはレバノンに滞在し、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が認定した難民。日本語研修などを受け、原則2年で日本の大学院で修士号取得を目指す。

 JICAが作成した英文の募集要項によると、応募条件は22~39歳の心身とも問題ない男女で「妊婦が応募することを奨励しない」としていた。しかし、要項公表後、人権団体「アムネスティ・インターナショナル日本」などから問題を指摘する声が相次ぎ、規定の削除を決めた。

 JICA中東第2課は「母子の健康を最優先に考え『奨励しない』との規定を盛り込んだが、配慮が足りなかった」としている。

 日本で暮らす難民申請者らを支援するNGO「ラフィック」(大阪市)の田中恵子共同代表は「妊婦のような脆弱(ぜいじゃく)性のある難民こそ保護すべきだ。規定は、妊婦が来ると面倒だという発想すら感じる」と指摘。日本の難民政策に詳しい滝澤三郎・東洋英和女学院大大学院客員教授は「シリア難民の中には、国内や避難中に過激派組織『イスラム国』(IS)のメンバーなどから性的暴力に遭った女性もおり、妊婦かどうかはデリケートな問題。難民への理解が足りず、あまりに無神経だ」としている。【鵜塚健】

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