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余録

「早口は困ります。…

 「早口は困ります。大きく口を開けてゆっくりと話してください」。ある大学講師が1年生の男子学生から言われた。耳が聞こえず、相手の唇の形で言葉を読み取る「読唇術」と手話を使ってコミュニケーションを図っている学生だ▲障害のある大学生は増えている。今年4月から施行された障害者差別解消法で大学側はそうした学生に対する合理的配慮が義務づけられた。段差をなくし、車いす用トイレに改修するだけでなく、教育現場では障害特性に応じた情報保障が重要だ▲講義に熱中すると早口になる講師の困惑を救ってくれたのは、「UDトーク」というアプリケーションだ。スマートフォン(スマホ)に向かってしゃべると、それが文字になって画面に現れる。学生と講師のスマホを連動させれば、教壇でしゃべる講師の言葉が学生の手元のスマホに表示される▲しかも、英語やフランス語など計15の言語へ同時に翻訳もできる。無料版は3分間ごとに起動させないといけないが、時間制限のない有料バージョンは企業や市役所、教育機関に普及し始めている▲「方言が交じっても滑舌が良ければ、文字変換の正確さはあまり変わらない」。UDトークを開発したシャムロック・レコードの青木秀仁社長は言う。音楽家でプログラマーでもある。東日本大震災を機に何か社会貢献をしたいと考え、起業したという▲もっと正確に文字変換できるよう技術の改良に努めているが、「相手にわかりやすく丁寧に話す方が、文字変換の精度に好影響を与える」と青木さん。情報技術は思いやりや配慮という土台があってこそ効果を増すものなのだ。

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