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余録

「ターク」つまりトルコ人という自動チェス指し人形が…

 「ターク」つまりトルコ人という自動チェス指し人形が19世紀初めに皇帝ナポレオンと対局した。チェス盤を載せたキャビネットの後ろに座った東洋風の人形がタークで、人間を相手にチェスを指した▲笑いながら「われら2人で勝負だ」と指し始めたナポレオンがわざと反則をすると、人形はおじぎをして相手の駒を元に戻した。くり返すと人形は頭を振り、盤上の駒をすべて倒してしまった。半信半疑だった皇帝は、このことで人形技師をほめ、勝負をやり直した▲人形はキャビネットに人が入って操作したのだが、トリックの出来が良かったのだろう。米国のベンジャミン・フランクリンも対局を楽しんだし、作家のポーは仕掛けについてあれこれ推理を披露している(T・スタンデージ著「謎のチェス指し人形『ターク』」)▲こちらは正(しょう)真(しん)正(しょう)銘(めい)の機械仕掛けの人工知能(AI)が囲碁でトップ棋士を打ち負かす現代である。この正月はネット上でAIと見られる謎の“棋士”が世界の名だたる棋士たちに連戦連勝したのが囲碁ファンらの間で話題となった。AIの進歩の速度はただならない▲そういえば年末は医療保険の給付の査定にAIを導入して担当部署の人員を3割近く削減する保険会社の話が報じられた。いよいよ雇用への影響も現実のものとなるのかと思ったら、なんと経済産業省は国会答弁の下書きの作成にAIを利用する実験を始めるという▲ならば議員の質問の作成もAIで……が冗談でなくなる日もくるのか。ちなみにタークはフランクリンにもナポレオンにも勝った。国政をめぐる論戦の盤面でもAIの連戦連勝が頭に浮かぶ。

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