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保育所家主、資産税免除へ 都が17年度

東京都の待機児童数の推移

保育士の待遇改善目指し1000億円超の予算編成も

 東京都は、保育施設として使用するために貸し付けられた土地や家屋を対象に固定資産税を全額免除する方針を固めた。全国初の制度で、2017年度から導入する。併せて、保育士の待遇改善などを目指して過去最大規模となる1000億円超の予算も編成する方針。全国ワーストの保育所待機児童の解消に向けた対策が本格化する。【林田七恵、円谷美晶】

 都によると、都内の待機児童は昨年4月現在、8466人と全国の3割以上を占める。背景には土地不足に加え、税制上の特例で固定資産税が6分の1に軽減されるアパートやマンションに押されて、民有地での保育施設整備が進みにくい状況がある。このため、都は直接課税する23区で固定資産税を全額免除し、市町村にも全額を交付金として補填(ほてん)する。免税規模は約30億円を見込んでいる。

 認可保育所以外の保育サービスの定員を拡大する事業も始める。企業が主に従業員向けに設ける「企業主導型保育」については、国が今年度から整備費を一部補助しているが、都は17年度から椅子や食器などの備品代をほぼ全額補助する。

 2歳までしか入れない小規模保育施設と連携して卒園児を受け入れ長時間の預かり保育を行う私立幼稚園に対しても年間400万円を助成する。

 こうした保育サービスの定員増に伴い、保育士を増やす対策も導入する。都は、勤続年数に応じた昇給をしている施設を対象に保育士1人あたり月額2万円を補助しているが、更に2万円超を上乗せする。産休・育休明けで自分の子供が待機児童となっている保育士のため、月額28万円(1時間当たり1750円、計160時間)を上限に、都がベビーシッター代を全額負担する。資格を持ちながら現場を離れている「潜在保育士」の職場復帰を促したい考えだ。

全国初、用地提供の後押し

 東京都は19年度までに、保育所や企業主導型保育など保育サービスの定員を7万人分増やし、4万人弱の保育士を確保する計画だ。17年度予算に各種の施策を盛り込む方針であるのは、深刻な待機児童問題に本腰を入れる証しともいえそうだ。

 大都市では用地不足が保育施設の新設のネックとなっており、固定資産税の全額免除は用地提供の後押しとなる。都内の保育関係者は「免除で増える定員は年1000~2000人程度かもしれないが、都心部の需要を満たす効果は小さくない」と期待する。

 首都圏などでは保育施設の新設に反対する住民運動も起きており、地域の理解を得ながら施設を増やしていくことは喫緊の課題だ。

 小池百合子知事は昨年9月、認可保育所だけでなく、定員は少なくてもつくりやすい小規模保育施設の設置も同時に支え、地域ごとのニーズに対応する考えを示した。

 固定資産税の減免について国は「可能」と全国の自治体に通知しているが、実施は都が初めてとなる。待機児童の減少につながる効果を示すことができれば、他の自治体も後に続く可能性がある。【林田七恵】

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