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今週の本棚

堀江敏幸・評 『万年筆インク紙』=片岡義男・著

 (晶文社・1944円)

自分とはなにかを問い続ける道具

 片岡義男には、『文房具を買いに』と題された、筆記用具に関するみごとな「考察」がある。私はかつてこのこぶりな、しかし厳格きわまりない記述の積み重ねに文法書の美しさを見出(みいだ)していたのだが、本書は文法からはみ出していく例外と寄り道を視野に入れたその上級編とも呼ぶべきものになっている。

 日系三世として英語と親しみながら育った片岡義男にとって、日本語の文字を記述することは、身体感覚を理…

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