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ロシア

東地中海で存在感 米に代わり積極関与

 【カイロ秋山信一】ロシアが東地中海沿岸諸国との関係強化に動いている。シリア内戦ではアサド政権を支援しながらトルコとも連携。エジプトでは軍事面などの交流を活発化させ、内戦状態が続くリビアへの関与も深めつつある。民主化要求運動「アラブの春」以降の混乱期に存在感を低下させた米国に代わり、東地中海で影響力を強めている。

     今月11日、シリア内戦での軍務を終えてリビア沖の地中海を航行中の露軍空母「アドミラル・クズネツォフ」にリビアの有力民兵指導者ハフタル氏が降り立った。露メディアによると、ハフタル氏はショイグ露国防相と映像回線を通じて会談し、中東でのテロ対策を協議した。

     ハフタル氏はリビア東部を拠点とし、国連や旧宗主国イタリアの後押しで統一政府樹立を目指す大統領評議会と対立関係にあり、最近は軍事支援を求めるなどロシアへの接近を図っている。ロシアはリビア情勢に目立って関与してこなかったが、ハフタル氏の後ろ盾として影響力を強める可能性がある。

     露の存在感は周辺国でも高まっている。旧ソ連時代から政治・軍事的な関係が深いシリアでは2015年9月、アサド政権を支援するために軍事介入を開始。内戦前から持つ西部タルトスの海軍基地に加えて、新たに北西部ラタキア近郊にも軍事基地を整備した。

     反体制派や過激派組織「イスラム国」(IS)への空爆で政権側の軍事的優位を固めるのと並行して、トルコを引き入れた独自の和平協議構想も進めている。15年11月のトルコ軍による露軍機撃墜事件後に両国関係は一時悪化したが、シリア情勢での利害調整を背景に急接近している。

     さらに中東一の人口を擁するエジプトとも昨年6月と10月に海上と陸上で相次いで合同軍事演習を実施し、エジプト初の原発建設計画を支援するなど関係強化を進める。

     欧州ではリビアやシリアでの露の影響力拡大を懸念する声も出ているが、米国のトランプ次期大統領はロシアとの協調路線を進めたい意向を示しており、東地中海でもロシアが「重し役」を担っていく可能性がある。

     ロシア外交に詳しいカイロ大学のヌルハーン・シェイフ教授は「黒海から東地中海に抜ける重要な通商路を影響下に置くことが露の戦略の一つだ。東地中海諸国は武器輸出相手国としても有望で、ロシアは今後さらに影響力拡大を図るはずだ」と分析している。

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