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余録

「ララ・エイビス」はラテン語で「珍しい鳥」の意味で…

 「ララ・エイビス」はラテン語で「珍しい鳥」の意味で、驚くべき物、異常な事態をいう。古代ローマの風刺詩人ユウェナリスが「黒いハクチョウ」のようなものと記してそのような成句になった▲そんな経緯があったからだろう。17世紀にオーストラリアでコクチョウ--ブラックスワンが発見された時は一大センセーションが巻き起こった。ありえないと思われていた事が実際に起きるとすさまじい衝撃を生み出すという「ブラックスワン理論」の由来である▲金融危機や巨大災害など想定外の事態のたとえとなったブラックスワンだが、東京・豊洲の新市場の地下にも小ぶりながらブラックスワンが生息していたらしい。その地下水に含まれる有害物質の想定外の激増を示すデータが公表され、ただならない衝撃が広がった▲小池百合子(こいけゆりこ)都知事が昨秋の築地市場からの移転を延期したのは、9回目のこの地下水調査で安全を最終確認するというのが理由だった。だがそのデータは専門家が「理解できない」「ショッキングな状況」と絶句するほどに、前回とは様変わりの水質の悪化を示した▲市場関係者からは前の調査への不信の声が上がるのも仕方なく、専門家会議は再調査を行って3月に結果を公表する。何にせよ想定外のデータを生んだララ・エイビスの正体を見極めぬことには、都民の税金は人影なき豊洲の巨大建築へ果てしなく流れ込んでいこう▲昨秋の移転を延期した小池知事も移転自体を危うくするブラックスワンの出現まで想定していたか。世界都市・東京の食のブランド「築地」を「豊洲」が引き継げるかどうかはますます見通せない。

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