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余録

受験シーズンの真っただ中…

 受験シーズンの真っただ中、東京都新宿区の宝泉寺(ほうせんじ)は早稲田大の合格祈願に訪れる人でにぎわう。明治のころまでは今のキャンパスの大部分が境内だった。勝負事に御利益があることでも知られる。受験や就職の成功を祈願するお守りには早稲田の「W」の文字が縫い込まれている▲受験生は高校や予備校で出題の傾向を探ったり、過去の問題を解いたりして本番に備える。それに倣うかのように、抜かりない準備をしたつもりだったのか。文部科学省が元高等教育局長の早稲田大への天下りをあっせんしていた問題で、関係者の口裏合わせをするために虚偽の想定問答が作られていた▲高等教育に詳しい人材がほしいと考えた大学が、かつて大学に勤務していた文科省OBに仲介を頼んだというストーリーだ。実際は文科省の組織的なあっせんであることを隠すのが目的だった。政府の再就職等監視委員会が昨年8月に行った聞き取り調査で、双方の担当者ともうその回答をしていた▲口裏合わせを主導した文科省もさることながら、それに応じた大学側も情けない。必死で入試に臨む受験生に顔向けできようか。では大学はなぜこうも文科省の意向を酌まなければならなかったのだろう▲大学入試改革や少子化など大学を取り巻く環境が変わる中で、どこの大学も生き残りに懸命だ。もし、監督官庁の顔色ばかりうかがうようになったのであれば、早稲田大の校歌にもある「学の独立」は失われる▲その校歌が制定されて今年で110年。歌詞には「集り散じて 人は変れど 仰ぐは同じき 理想の光」とある。時代が移っても変わらぬ私学の理想とは。

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