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イスラエル入植地建設に懸念 声明発表

スパイサー米大統領報道官=西田進一郎撮影

 【ワシントン会川晴之、エルサレム大治朋子】スパイサー米大統領報道官は2日、イスラエルとパレスチナによる中東和平や、イスラエルが進めるユダヤ人入植(住宅)地建設に関する声明を発表した。イスラエルが占領するヨルダン川西岸パレスチナ自治区などに建設した現存の入植地は、和平への「障害」にはならないとしながらも、新たな建設や拡大は「(和平という)目標到達の助けにはならないかもしれない」と懸念を表明した。

     トランプ政権が入植地に関し、声明で見解を示したのは初めて。声明は「政権として入植活動について、公式な立場は(まだ)示していない」としたうえで、イスラエルに対して事実上、新たな建設や拡大は自制するよう求めた。声明は、今月15日に予定されているイスラエルのネタニヤフ首相との会談で「議論するのを楽しみにしている」とも述べ、詳細は明らかにしていない。

    イスラエル右派けん制

     トランプ政権の入植地問題に関する声明は、現場関係者らにさまざまな反響を呼んでいる。オバマ前政権は、現在ある入植地も含め、占領地に自国民を移住させる行為はジュネーブ条約に反するとの立場から、厳しく批判してきた。だが今回の声明は、現存する入植地を許容するような表現となっている。ただ新たな建設、拡大には懸念を示し、その点では従来の米政府の方針を踏襲した形だ。

     イスラエルのダノン国連大使はイスラエル・ラジオに「Uターンではない」と指摘。オバマ前政権の方針に戻る趣旨とはいえず、15日のネタニヤフ首相との会談内容を見て判断すべきだと訴えた。

     一方、イスラエルのハーレツ紙は、トランプ政権が入植地拡大を「無条件に支援する」と期待していた「イスラエル右派」が、声明に「驚き、失望している」と伝えた。

     入植地活動に批判的なユダヤ系米国人組織「イスラエル・ポリシー・フォーラム」(本部・ニューヨーク)のコプロウ代表はハーレツ紙の取材に、声明は「心強い」内容だと評価。ネタニヤフ氏が求めるのは入植地拡大などではなく穏便な「現状維持」であり、連立政権内強硬右派からの「政治的プレッシャー」を回避する力を与えるだろうと分析した。

     また、シャピロ前駐イスラエル米大使はツイッターで「(声明は)トランプ政権が、入植活動は中東和平に否定的な要素をもたらす、という立場を示したもので、長年の米国の方針の一環だ」と指摘。今回あえて声明を出したのは、ネタニヤフ氏が「(入植促進を求める)右派政党を抑止するため、トランプ氏からの(入植地の新たな建設をけん制する)プレッシャーを求めているからではないか」と記した。

     イスラエルの裁判所は、パレスチナ人が持つヨルダン川西岸の私有地に、1995年から違法に建設されている「アモナ入植地」の多数の住民に退去するよう命じた。1日には退去を促す治安当局と抵抗するユダヤ人入植者が衝突し、多数が負傷した。連立政権を担う保守強硬派議員らは、「代替住宅」などとして、新たな入植地の建設をネタニヤフ氏ら政権側に求めている。

     【ことば】ユダヤ人入植地

     1967年の第3次中東戦争でイスラエルが占領したり、併合したりしたヨルダン川西岸パレスチナ自治区や東エルサレムに建てられたユダヤ人の住宅地。占領地に自国民を移住させることは国際条約で禁じられているが、イスラエル政府は新たな入植地を事実上容認してきた。パレスチナ側はこれに強く反発し、中東和平交渉の大きな壁になっている。西岸地区の入植者は現在約40万人で、東エルサレム地区も含めると計60万人近くに上っている。

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