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社説

北朝鮮ミサイル 冒険主義の挑発やめよ

 北朝鮮がまた日本海へ向けて弾道ミサイルを発射した。北朝鮮の核・ミサイル開発への厳しい姿勢を首脳会談で確認した日米をけん制しようというものだろう。

     訪米中の安倍晋三首相は米国のトランプ大統領と緊急の共同記者発表を行い、発射を非難する声明を出した。一致したメッセージをすぐに発信したのは適切な対応だった。

     金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は、危機をあおる冒険主義的な挑発を即刻やめるべきである。

     安倍首相とトランプ大統領は会談で、北朝鮮に核・ミサイル開発の放棄を要求するとともに、日米に韓国を加えた3カ国による連携が重要であることを改めて確認した。

     日米韓は発射を受けて国連安全保障理事会に緊急会合の開催を要請した。弾道ミサイル発射は明確な安保理決議違反である。安保理は厳しい姿勢を示す必要がある。

     北朝鮮は今回のミサイルについて昨年8月に発射した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の射程を延ばした改良型であると主張している。大出力の固体燃料エンジンを採用したという。

     北朝鮮は年初から米本土を狙う大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を示唆してきた。今回のエンジンはICBMを念頭に開発された可能性がある。短時間の準備で発射できる固体燃料エンジンを採用した長距離弾道ミサイルが実用化されれば、北朝鮮の脅威はさらに深刻な水準になる。

     米国でオバマ政権が発足した8年前にも、当時の金正日(キムジョンイル)政権は長距離弾道ミサイル発射と核実験を行った。危機を作り出して、米国の新政権に交渉の必要性を感じさせようというのだろう。今回も、韓国で来月行われる米韓合同軍事演習に合わせて挑発をエスカレートさせる恐れがある。

     トランプ政権はこれから数カ月かけて対北朝鮮政策を固めていくことになる。重要なのは、北朝鮮の核・ミサイル開発を絶対に許さないという断固たる意思を示すことだ。

     中国やロシアまで巻き込んだ外交努力で北朝鮮を圧迫しなければ問題の平和解決は望めない。そのためには米国の強い指導力が不可欠である。

     オバマ前政権の消極的姿勢は、その点で失敗だった。北朝鮮はこの8年間に核・ミサイル技術を着実に進歩させた。ICBMを完成させて、米本土への直接的な脅威となるのも時間の問題だろう。

     トランプ政権に強い危機感を持ってもらうことが必要だ。日本政府は、利害を共有する韓国とともにトランプ政権への働きかけを強めていかねばならない。

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