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新学習指導要領 がんじがらめは避けよ

 「質」を向上させ、かつ「量」も減らさない。文部科学省が提示した小中学校の次期学習指導要領改定案は、この難題に挑む。

     小学校の英語教科化、プログラミング必修化、中学の英語の授業は原則英語で行うなど、急進するグローバル化時代や、情報通信技術(ICT)への対応だ。

     昨年公表された国際テストで日本は「読解力」が落ちた。その強化に力を入れる。国語だけでなく、全教科を通じて言語活動を豊かにし、「主体的・対話的で深い学び」を求めるという。探究型学習だ。

     例えば、小中学校の国語と社会では「新聞の活用」を挙げ、多様な読み取りのほか、記事の比較、意見発表や討論などをする。

     「主体的・対話的で深い学び」とは、近年文科省が教育改革、授業改善の理念に唱えている「アクティブ・ラーニング」のことだ。この言葉が今回の改定案にない。文科省は「法令上の文書にはまだ使いにくくて」と言うが、この理念と手法がまだ学校現場に浸透していないことを象徴しているようにも思える。

     実際、学校現場の受け入れ態勢に不安は尽きない。

     例えば、既に時間割が目いっぱいの小学校で、どう英語の授業を上乗せするか。文科省は土曜日や夏休みの活用、15分の短時間授業の導入などを挙げる。教員や子供に過重な負担にならないか。

     教科として英語を教えるには、中学英語の免許も併有する小学校教員が担当することなどが考えられるが、文科省によると、2015年度調査でそうした併有小学校教員は5%に満たない。研修や教員養成課程を改めるなどして小学校での英語指導人材を確保するという。

     ほぼ10年おきに改定される学習指導要領は、時代状況や価値観を映してきた。1960年代後半には「教育内容の現代化」を唱え、70年代後半には知識詰め込みの反省から「ゆとりある学習」に腐心した。80年代末以降は「社会の変化に対応する力」「教育内容をスリム化し『生きる力』の育成」となり、「ゆとり教育」が実施された。

     00年代に入り、学力低下批判が高まり、学習内容を増加。そして今回、20年度に小学校から順次実施される次期指導要領は「新時代に向かい、詰め込みかゆとりかといった二項対立を超える」とうたう。

     今後、授業改善の例も多く示すというが、学校現場がかえってそれにがんじがらめにされないか。

     個別の子供にふさわしい指導や機微、成長は現場が最も知る。一律の締めつけや無理を強いるものにならぬようにするのが肝要だ。

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