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金正男氏殺害

過去の世襲批判悔い周囲に「許して」漏らす

【左】金正男氏とみられる男性=成田空港で2001年5月4日、竹内幹撮影【右】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長

金正恩体制後、ほとんど北朝鮮には帰らず

 マレーシアで殺害されたとされる北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏(45)は、故金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男として一時は後継者候補に取りざたされたこともあった。しかし、2001年に偽造パスポートを使って日本に入国しようとして拘束され、後継レースから脱落したとみられていた。

 正男氏は01年5月1日、ドミニカ共和国の偽造パスポートで妻子と見られる女性や子供らと一緒に成田空港から日本に入国しようとした際、日本の入管当局に身柄を拘束された。東京ディズニーランドを訪れるのが目的だったとされており、出入国管理法に基づく退去強制処分を受けて同4日に民間機で中国・北京に向かった。

 公安当局などによると、正男氏は若いころ欧州で過ごした時期があるとされ、コンピューターにも精通していたという。日本に親近感を抱いていたとみられ、01年に身柄を拘束される前にも日本への密入国を繰り返し、東京・赤坂などの繁華街に足を運んでいたとされる。

 母親は映画女優の成恵琳(ソン・ヘリム)氏で02年に療養先のモスクワで死亡している。11年12月に正日氏が死去した後、異母弟にあたる金正恩(キム・ジョンウン)氏の本格的な統治が始まってからはほとんど北朝鮮には帰らず、シンガポールやマカオなどに滞在している姿が確認されていた。

 正男氏とメールなどでやりとりを重ねたとする東京新聞の五味洋治編集委員が12年に出版した「父・金正日と私 金正男独占告白」には、正男氏が北朝鮮の3世代世襲を批判する発言が紹介されていた。公安関係者によると、正男氏はこの世襲批判を悔い、正恩氏に許してほしいと周囲に漏らし続けていたという。

 日本の警察当局幹部は「死亡の経緯などについて情報収集を進めている」と話した。

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