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元名大生公判 母、涙で謝罪…異変に対処できず

 名古屋市で高齢女性を殺害し、仙台市で高校の同級生ら2人に硫酸タリウムを飲ませたなどとされる元名古屋大学生の女(21)=事件当時16~19歳=の裁判員裁判で、元学生の母親が16日、名古屋地裁(山田耕司裁判長)の公判に証人として出廷して謝罪した。元学生の言動を振り返り、異変がありながらも「事件を起こす少年とは違うと勝手に決めつけていた」と語った。【金寿英、山本佳孝】

 母親は冒頭で現在の心境を聞かれ、事件の被害者や遺族らに対し「親としておわび申し上げたい」と涙声で述べ「ありのままを伝えたい」と話し出した。

 2014年12月、女性殺害後に仙台市の実家に帰省した元学生から「人を殺したかもしれないけれど、夢か現実か分からない」と打ち明けられたと証言した。以前から同様の発言をしていたため「またかと思った」という。

 事件を起こす少年少女は学力低下が著しかったり、過酷な家庭環境で育ったりしている印象があり「経済的にバックアップしているし、現役で大学にも合格するぐらいだから、うちは違うと思っていた」と話した。

 母親は元学生が高校生だった時、劇薬物を所持していたとして警察に厳重注意されたことを把握した学校から呼び出された。「犯罪にも興味があり、通常の規範から外れている」「急に視力の悪くなった生徒がいるが、何か心当たりはあるか」と言われた。硫酸タリウムの所持は知らず「当時は娘のせいにされるのは心外だと思った」と振り返った。

 元学生が大学1年の夏に帰省した際、犯罪者や犯罪を称賛する発言をしたため、たしなめたところ「あんたはもっと早く自分を精神科に連れて行くべきだった」と言われたと述べた。その後、元学生を仙台市の発達障害の専門機関に伴い、面談を受けさせていた。

 母親は専門機関の職員から、元学生が「人を殺したいという願望は誰にでもある」と話していたと聞かされ、「(殺人を犯せば)処罰されるなどと理論で教えるしかない」と指摘されたという。

 母親は元学生の小中学校時代の言動についても証言した。

 元学生が中学生の頃、1997年に神戸市で発生し中学3年の少年(当時)が逮捕された連続児童殺傷事件について話すと、元学生は「自分と同じくらいの年でそんなことができるなんてすごい」と語った。その時のことを母親は「事件を美化するようなことを言っていて、がくぜんとした」と語った。小学6年の頃、理科の実験で渡されたホウ酸を友人と集め、担任教諭の給食に混ぜようとしたことも明かした。

「かま見せられた」…妹証言

 公判では元学生の妹に対する非公開の証人尋問の録画・録音が流され、妹は元学生から事件について告白されていたと証言した。

 妹の証言によると、元学生から高齢女性殺害直後に「今日、人を殺したんだよ」と電話で告げられ、その後の帰省時に「おので人を殴った」と伝えられた。元学生が高校の同級生男性に硫酸タリウムを飲ませた際も「致死量より多く入れた」と聞かされていた。妹は元学生について「頭がよくて要領もよくてうらやましい」と話す一方、顔を殴られたり、かまやナイフ類を見せられたりしたと述べた。

 また、公判では元学生の父親の調書も読み上げられた。それによると、元学生が高校2年の春ごろから薬品を購入していたことを把握し、猟奇殺人や毒物について調べていたことにも気付いていた。

 調書で「高校2年の終わりごろから成績が良くなり、薬品やナイフに興味を持たなくなったと思ったが、その後、上着のポケットに折りたたみナイフが入っていてがっかりした」と述べていた。

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