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「ひずみ計」データ即時公開…気象庁検討

ひずみ計のしくみ

 東海地震の直前予知を目的に、気象庁などが静岡、愛知、長野県に設置している「ひずみ計」について、気象庁が観測データを迅速に公開する方向で検討を始めることが分かった。

 ひずみ計のデータは、東海地震に関する情報の発表基準に使われているが、これまで一部の関係機関を除いて地震研究者にもリアルタイムのデータは公開されていなかった。

 ひずみ計は、地下の岩盤の伸び縮みを観測する装置。小中学校にあるプールに水を満たし、直径1センチのビー玉を落とした時の水面の上昇を検出できるほど高い精度で変動を観測する。データは、地震研究者6人で構成する地震防災対策強化地域判定会が、東海地震の前兆かを判断する材料にしている。

 気象庁によると、研究者などを中心に過去にもデータ公開を求める声はあったが、データが「独り歩き」することなどを懸念し、公開を見送ってきた。しかし、南海トラフ巨大地震の予測可能性を検討する政府の有識者会議が昨秋、データの変化の状況などをリアルタイムで発表する必要性について指摘したことなどを受け、公開の方向で検討することになった。

 ただ、ひずみ計は高精度のため、潮の干満など不要な情報(ノイズ)を拾ってしまうこともある。このため、ノイズを取り除かないとデータの意味を誤解される懸念もあり、従来は処理済みのデータを月1回ペースで公開してきた。

 今後、観測したデータそのものを即時公開できるかどうかや、解説を付けて公開することなど、データの提示方法について検討していく考えだ。【飯田和樹】

「独り歩き」より信頼構築

 地震や火山の分野で観測データを公開する動きが進んでいる。気象庁は昨年12月、全国の火山の火山性地震の回数、噴煙の高さといった観測データのホームページ公開を開始。政府の地震調査研究推進本部でも、研究機関などが個別に管理してきた観測データの一元化と公開が議題に上がっている。

 観測データについては「加工していない生データは専門家しか理解できず、公開の必要はない」などの意見もある。しかし、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)の上田英樹・火山観測管理室長は「専門家と社会との信頼関係を構築するためにもデータ公開は不可欠。さらに正確で分かりやすい説明をつける努力をすべきだ」と話す。

 静岡県庁で35年にわたって防災担当を務めた岩田孝仁・静岡大防災総合センター教授(防災学)も「行政や市民が日ごろから同じデータを見ていれば、危機感を共有しやすく、迅速な判断や行動につながる。データの変化と人々の行動との関連を分析して防災対策に生かすなど、研究の裾野が広がる可能性もある。公開は防災上とても重要だ」と指摘する。【飯田和樹】

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