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池内 紀・評『絶対の宣伝 ナチス・プロパガンダ4 文化の利用』草森紳一・著
2017/2/21 18:22(最終更新 2/21 18:22)
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池内 紀・評『絶対の宣伝 ナチス・プロパガンダ4 文化の利用』草森紳一・著
人々の不安に乗じて虚像を実像化する手法
◆『絶対の宣伝 ナチス・プロパガンダ4 文化の利用』草森紳一・著(文遊社/税抜き3500円)
草森紳一(1938~2008)は博覧にして才筆だった。早くに中国文学から出て、デザイン、サブカルチャー、写真、建築、マンガ……分野にまたがり自在にペンを振るった。死後にも十数冊の著書が出つづけたことからも、旺盛な筆力がうかがえる。
とともに、もう一つ理由があった。当人は「往生際悪く」と称していたが、くり返し書き足しをして終わらせることができない。そのため主著となるべき評伝『李賀』は二千枚にもふくらんだ。
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