SUNDAY LIBRARY

池内 紀・評『絶対の宣伝 ナチス・プロパガンダ4 文化の利用』草森紳一・著

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷

池内 紀・評『絶対の宣伝 ナチス・プロパガンダ4 文化の利用』草森紳一・著

人々の不安に乗じて虚像を実像化する手法

◆『絶対の宣伝 ナチス・プロパガンダ4 文化の利用』草森紳一・著(文遊社/税抜き3500円)

 草森紳一(1938~2008)は博覧にして才筆だった。早くに中国文学から出て、デザイン、サブカルチャー、写真、建築、マンガ……分野にまたがり自在にペンを振るった。死後にも十数冊の著書が出つづけたことからも、旺盛な筆力がうかがえる。

 とともに、もう一つ理由があった。当人は「往生際悪く」と称していたが、くり返し書き足しをして終わらせることができない。そのため主著となるべき評伝『李賀』は二千枚にもふくらんだ。

この記事は有料記事です。

残り1217文字(全文1523文字)

あわせて読みたい

アクセスランキング

現在
昨日
SNS

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月