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社説

大阪・国有地売却 適正な処理とは言えぬ

 国民の財産が不当に安く処分されたのではないか。そういう疑いを抱かざるを得ない。

     大阪府豊中市の国有地が学校法人に評価額を大幅に下回る価格で売却された。財務省は「適正に処理した」と主張するが、判明してきた事実を見れば、売却をめぐる疑惑はむしろ膨らむ。

     国有地は8770平方メートルあり、国土交通省大阪航空局が管理していた。近畿財務局が売却先を公募し、小学校新設予定地として取得を希望した学校法人「森友学園」(大阪市)と昨年6月に随意契約を結び、1億3400万円で売った。不動産鑑定士の評価額は9億5600万円で、8億円以上も減額したことになる。

     国交省は、地中から見つかった廃材や生活ごみなどの撤去費用を約8億2000万円と見積もり、その額を差し引いたと説明する。

     しかし、地中のごみをどのように確認したのか、実際の撤去費用はどれくらいかといった疑問には答えていない。ごみ撤去と別に、法人が実施した汚染土壌の除去費用として国は約1億3200万円を支払っており、国の収入は約200万円に過ぎない。

     そもそも公募なのになぜ随意契約だったのかも含めて、売却までの流れに不可解な点は多い。

     国有財産を売却した場合、金額や用途を公表するよう財務省は通達で定めている。契約の透明性と公正性を確保するためだ。不正な売買で損害を受けるのは国民である。

     ところが今回、豊中市議の情報公開請求に対して、国は売却額の非開示を決定した。市議が決定取り消しを求めて大阪地裁に提訴するとその直後に公表した。

     非開示としたのは法人の要望があったからだという。買い手の意向で非公開とするのでは、情報公開制度は骨抜きになってしまう。

     森友学園がすでに運営している幼稚園では「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」といった差別表現のある文書を保護者に配布したことが分かり、大阪府は法人理事長らから事情を聴いた。教育機関としての適格性に疑問が持たれてもやむを得ない。

     小学校は4月開校の予定で、名誉校長に安倍晋三首相の妻昭恵氏が就くという。法人は一時期、「安倍晋三記念小学校」の名目で寄付を集めていた。

     衆院予算委員会で安倍首相は土地売却や学校認可への関与を否定し、「関係していれば首相も国会議員も辞める」と答弁した。

     首相の名前が使われた経緯も不可解だ。勝手に利用されたとすれば、首相は抗議するのが筋ではないか。

     国会での徹底した究明が必要だ。

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