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社説

都議会の百条委 「豊洲の闇」に迫れるか

 豊洲市場の移転問題をめぐり、東京都議会は強い権限を持つ調査特別委員会(百条委員会)の設置を決めた。石原慎太郎元知事ら移転決定当時の関係者は証人として委員会に喚問される見通しだ。

     石原氏はこれまで豊洲問題についてきちんと説明してこなかった。都議会は百条委の権限を十分に活用することで、疑問だらけの経緯の解明を進めなければならない。

     設置は全会一致で決定した。百条委員会は地方自治法100条に基づき、地方議会に置くことができる。関係者の証言、記録提出を求めるなど調査権限がある。正当な理由がなく証言を拒否したり、うその証言をしたりすると、罰則が科せられるなど強制力を持つ。

     建物に土壌汚染対策の「盛り土」がされていなかった問題をはじめ、複雑な事実関係を解明するためには百条委の設置が必要だった。にもかかわらず、都議会自民党の動きはこれまで鈍かった。

     都議会自民党は当初、既存の特別委員会による石原氏らの参考人招致を検討していた。ところが共産党や民進党系会派などの要請で百条委の設置に同調した。

     7月の東京都議選で小池百合子知事が率いる地域政党は候補を大量に擁立する方針だ。「解明に消極的だ」と批判の逆風を浴びることをおそれたのが都議会自民党の実態だろう。対応は後手に回ったと言わざるを得ない。

     「盛り土問題」への石原氏の関与は依然としてはっきりしていない。当初「私もだまされていた」などと説明していたが、「石原氏にコンクリートの箱を埋める案の検討を指示された」との元職員の証言もある。都によるヒアリングを拒み、都から送られた質問状への回答も不十分な内容だったとされる。

     築地市場の移転先が豊洲に決まった経緯も改めて問題視されている。東京ガスの工場跡地で土壌汚染があるため、会社側はもともと都への売却に難色を示していたという。十分な対策を固めたうえでの用地選定だったのか。石原氏は疑問にていねいに答える必要がある。

     一方で、都議会は百条委員会の目的が石原氏への追及だけに終始することがないよう、留意する必要がある。

     豊洲問題をめぐっては小池知事が石原氏の対応を批判するなど「小池VS石原」の劇場型の対立構図に関心が集まりがちだ。だが、百条委の役割は全体像の解明だ。当時の都幹部らの喚問などが欠かせない。

     都議会は小池知事の就任まで、豊洲移転に事実上のお墨付きを与えてきた。その責任を十分に踏まえなければならない。

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