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根強い人気の二眼レフ インスタのような雰囲気

カメラ店の店頭に並ぶローライの二眼レフ。人気の2.8レンズ搭載モデルはすぐに売れてしまうという=東京都中央区銀座で2017年2月、米田堅持撮影

 写真はすっかりデジタルカメラやスマートフォンで撮影するのが一般的になったが、フィルムを使って撮る銀塩写真も愛好家を中心に人気があり、中でも二つのレンズを持つ二眼レフカメラは今も評価されている。そのほとんどはレンズ交換ができず、不便さから時代から消えたはずの二眼レフの根強い人気の背景を探った。【米田堅持】

クラシックらしいデザイン

 二眼レフは、上側のビューレンズで被写体を捉えてピントや構図を調整し、もうひとつのレンズで撮影するカメラだ。ファインダーで見た通りの構図で写真が撮影できることから人気を博し、最高峰と呼ばれたローライのほか、日本でもリコーやヤシカのように二眼レフを主力商品として成長した会社もあった。構造上の制約からレンズ交換できる機種は少なく、広角専用や望遠専用の二眼レフが作られたこともあった。その後、レンズ交換可能なスウェーデンのハッセルブラッド社の一眼レフがプロや写真愛好家から絶大な支持を受けるようになると、二眼レフは表舞台から姿を消していった。

 では、今あえて二眼レフを選ぶ理由はどのへんにあるのだろうか。ドイツ製二眼レフのローライフレックス3.5Fを持つ東京都内に住む会社員、白井啓恵さんは、「デザインや金属の感触が好き。1台持っているけれど、それより明るいレンズが装着されたローライフレックス2.8C型を探している」と話す。

 いとおしそうに愛機の3.5F上部にあるウエストレベルファインダーのピントフードを開けると、ピントグラスには、ビューレンズを通してミラーに導かれた左右逆像の世界が広がっていた。ウエストレベルファインダーとは、文字通りカメラを構えた時に、体の腰のあたりで構えて見るファインダーのことだ。「このほうが(被写体となる相手と)向き合わないので自然な表情が撮れる」とその利点を白井さんは話す。さらに「デジタルカメラではカメラ任せの撮影しかしなかったから、二眼レフなどの古いカメラは気難しいけれど操作している感覚が楽しい」と笑顔を見せた。

根強い人気の秘密は

 一眼レフは、レンズとフィルムの間にミラーがあり、普段は被写体を見ているが撮影時だけはミラーを上げる。特殊なミラーを採用したモデル以外は撮影した瞬間を見ることができないので、銀塩写真全盛の頃には、撮影した瞬間が見られる二眼レフにこだわる人も存在した。

 二眼レフは12枚から24枚ほどしか撮れない上、撮影後すぐに写真が見られないなど手間がかかるが、銀塩写真独特の豊かな階調と古い年代のレンズならではの描写を好む愛好者は多い。また二眼レフのほとんどが正方形のフォーマットを採用しており、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の一つ「インスタグラム」のような正方形に仕上がった写真が、デジタルカメラに囲まれて育った若者には目新しく映るようだ。

 最近はプロや写真愛好家の多くがデジタルカメラへ移行し、二眼レフだけでなく銀塩写真時代のカメラを手放す人も増えた。ハッセルブラッドなど往年の名機が市場にあふれ、使い込んだ中古の標準レンズセットで20万円以上もした中古価格は半分程度にまで下落した。しかし、二眼レフはローライの人気機種の相場は今も20万円以上で推移しており大きく値下がりしていないという。

 昨今のクラシックカメラの動向について輸入カメラなどを専門に扱う千曲商会(東京都台東区)の木鋪俊一店長は「ローライなどの二眼レフを探す人は多く、価格の変動は少ない。デジタルカメラに装着するアダプターを使うのではなく、純粋にフィルムを使って銀塩写真を楽しんでいるようだ」と、東京・銀座の百貨店で開催予定の中古カメラ市の準備をしながら教えてくれた。

 一方で、三共カメラ(東京都中央区)によると「今はレンズ交換が必要ならばデジタルカメラを使う人が多い。レンズ交換を考えていないので、クラシックな雰囲気の二眼レフはちょうど良いようだ」とデジタルカメラ時代ならではの売れ筋の変化があるという。

 専門店以外ではどうか。最新のデジタルカメラも扱う三宝カメラの山口哲雄店長は「銀塩時代も一定のファンがいて、たたき売りにはならなかった。ローライだけでなく日本製の二眼レフは新しくて状態の良いモデルやレンズ交換のできるモデルでも数万円と手ごろなこともあり、すぐに売れてしまうので中古価格が大きく変わらない」と、デジタルカメラ全盛でも衰えない人気ぶりを語ってくれた。

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