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売り上げ不振で閉店 科学博からの歴史に幕

西武筑波店は最終日の営業を終え、シャッターが下ろされた=茨城県つくば市で2017年2月28日午後8時8分、大場あい撮影
最後のにぎわいを見せる売り場=茨城県つくば市の西武筑波店で

 茨城県つくば市の百貨店「西武筑波店」が28日、売り上げ不振により閉店し、32年間の歴史に幕を下ろした。閉店日には、多くの買い物客が詰めかけ、長年親しんできた百貨店との別れを惜しんだ。一方、中心市街地の今後の空洞化を心配する声も聞かれた。【宮田哲、大場あい】

 店は午前10時の開店時には既に長蛇の列ができた。間もなく店内は客であふれ、セールの1足1000円の婦人靴のコーナーは人垣ができた。常総市の会社員、亀崎時子さん(55)は休みを取って駆けつけた。「寂しい。閉店までいるつもりです。知り合いのブティック店長さんにもあいさつしたい」

 開店は国際科学技術博覧会が開かれた1985年。つくば市誕生前で、当時の住所は桜村。周囲に建物はほとんどなかった。当時から同市に住む主婦(64)は「自転車で走っていたら突然デパートが建っていて驚きました」。客からのメッセージを貼ったボードには開店日のこんな思い出も。「母にスヌーピーの赤い傘を買ってもらいました! それから何百回来たことか」

 成長する学研都市。増える人口。住民は百貨店のある暮らしを楽しんだ。先の主婦は「昔は映画館もあり、ジブリの映画に行列しました」。店は92年2月期、ピークの248億円の売り上げを達成。2005年にはつくばエクスプレス(TX)が開通し、至近につくば駅もできた。

 だが近年は大型ショッピングセンター(SC)出店や公務員宿舎の廃止による駅周辺の人口減などで売り上げが低迷。16年2月期の売り上げはピーク時の半分に。運営する「そごう・西武」は昨年8月、撤退を発表した。

 「そごう・西武」によると、閉店を惜しむムードや閉店セールの影響で、売り上げは昨年末から伸張。2月は前年同月の3倍に達した。本社員72人は「そごう・西武」で配置転換となる。雇用が終わる契約社員161人には就職活動を支援してきたが、状況は公表できないという。

 市民からは街の今後を案じる声も。つくば市の主婦(53)は「公務員宿舎の廃止で人通りは減った。また街が寂しくなるのでは」。研究員の男性(40)も「幽霊ビルにならないようにしてほしい」と語った。

 閉店時刻の午後8時が近づくと、正面入り口には、最後を見届けようと買い物客が集まり、最終的には約500人に。同5分過ぎにシャッターが下り始めると、大きな拍手と共に「ありがとう!」という声が飛んだ。店内では女性店員が深々とおじぎしていた。これで県内の大型百貨店は水戸市の京成百貨店のみとなる。

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