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北朝鮮ミサイル 自らの苦境を招く暴走

 金正恩(キムジョンウン)政権の無軌道ぶりは、とどまるところを知らないようだ。

     北朝鮮がまた弾道ミサイルを日本海に向けて発射した。4発で、うち3発は日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したとみられる。

     落下地点で漁船が操業していなかったのは偶然にすぎない。事前通報もなしに発射することは危険極まりない行為である。

     北朝鮮は昨年も複数のミサイルを同時に発射し、日本のEEZ内に落下させている。同時発射を重ねる背景には、精度の高さを誇示しようとする意図を読み取れる。

     なぜこのタイミングでミサイルを発射したのだろうか。

     まずは、1日に始まった米韓合同軍事演習への反発が挙げられる。発足したばかりのトランプ新政権に対し、核・ミサイル開発の決意を見せつけようとしたのかもしれない。

     マレーシアでの金正男(キムジョンナム)氏殺害事件の余波が広がっている中での発射でもある。事件を巡って北朝鮮は守勢を強いられているが、局面転換を図れるとでも考えたのだろうか。

     しかし、独りよがりの行動は自らを苦境に追い込むだけだ。

     トランプ政権は、オバマ前政権の「戦略的忍耐」政策を転換する姿勢を見せており、前政権より強硬な政策を取る可能性が高い。

     米国では既に、北朝鮮をテロ支援国家に再指定する議論が強まっているという。北朝鮮による挑発は、トランプ政権を強硬路線に向かわせる効果しかないだろう。

     発射は、在韓米軍への「終末高高度防衛(THAAD=サード)ミサイル」配備の必要性を強調する論拠にもなりうる。配備に反発する中国の怒りは強いはずだ。

     中国の重要な政治行事である全国人民代表大会(全人代)の開会中に行われたミサイル発射は、中国のメンツをつぶすものでもあった。

     中国は既に、北朝鮮からの石炭輸入を年末まで停止すると発表している。北朝鮮にとって最大の後ろ盾である中国との関係修復は、さらに遠のきそうだ。

     友好国の多い東南アジアとの関係にも暗雲が漂っている。

     シンガポールは昨年、国連制裁に同調して北朝鮮国民のビザなし入国を停止した。金正男氏殺害事件の舞台となったマレーシアはビザなし入国の停止に加え、北朝鮮大使の国外追放に踏み切った。

     国際的孤立をさらに深めた北朝鮮の存在は、北東アジアにおける大きな脅威である。

     米国のティラーソン国務長官は来週後半から日本と中国、韓国を訪問する。日米韓の連携を強め、中国とも協力を進める契機とすべきだ。

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