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「町に居住なら昇進優先」 職員から不安の声

松本幸英氏=乾達撮影

 東京電力福島第1原発事故の避難指示が一昨年9月に解除された福島県楢葉町の松本幸英町長が、避難先から町内に住居を戻した町職員を昇進で優先する趣旨の発言をしていたことが分かった。町民の帰還が進まない中、職員の率先垂範を意図したものだが、職員からは「乱暴すぎる」と不安の声も上がる。

 楢葉町に帰還した町民は、避難先で定住したり、生活インフラへの不安があったりすることから、町民の11.1%にあたる818人にとどまっている。

 昨年11月の早朝、福島県沖地震が起きた際、本庁舎勤務の町内居住者は職員約100人のうち13人。震度5弱を記録し、松本町長が庁舎に駆けつけたが、誰も登庁していなかった。このため12月から、職員10人が交代で町内に毎日宿泊。先月末時点で町内居住者は35人に増えた。

 6日の町議会一般質問で、松本町長は「公式な場で(職員に)伝わるよう話した」と答弁。「職員の不安も理解するが、行政には守るべき重い責任がある」とも述べ、今後も帰還を促す考えを示した。

 同県いわき市から通う男性職員は「戻れる環境をつくるのが我々の職務なので、町長の気持ちも分かる。でも家族も守らないといけない」と戸惑う。

 自治労県本部は「職務ではなく、住所での評価は、地方公務員法の平等な取り扱い原則に反する。被災自治体では退職する職員も多く、無理に帰還を進めることが意欲をそがないか心配だ」と指摘している。【乾達】

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