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訓練前にトラブルか カメラの映像回収

救助活動を終えて下山し、うつむいて引き揚げる消防隊員ら=長野県塩尻市で2017年3月6日午後3時34分、小川昌宏撮影
墜落現場の位置

 長野県松本市入山辺の鉢伏山(1929メートル)の斜面に、県の消防防災ヘリコプター「アルプス」が墜落し5人が死亡した事故で、県警は6日、新たに4人の死亡を確認した。これでヘリに搭乗していた消防隊員ら9人全員が死亡した。県は、乗っていた隊員が撮影した小型カメラの映像を回収。映像によると、救助訓練を開始する前に墜落していた。ヘリは離陸から約15分後に連絡がとれなくなっており、県警などは、訓練開始前に何らかのトラブルがあったとみて調べる。

 県警や自衛隊、消防などは6日早朝、地上から約100人の救助隊員を投入し、ヘリコプターでも隊員を輸送し、標高約1700メートルの斜面で救助に当たった。

 新たに死亡が確認されたのは、大工原正治さん(42)=松本市神林=ら消防隊員3人と整備士の清水亮太さん(45)=同。

 県によると、ヘリは山岳遭難救助訓練のため、5日午後1時半に松本空港(松本市)を離陸。10~15分後に鉢伏山から約4キロ離れた高ボッチ山でヘリを下降させて着陸し、隊員1人を降ろして訓練を始める予定だった。しかし、隊員を降ろした後に県消防防災航空センターに入るはずの無線連絡がなかった。

 映像は後部に搭乗していた隊員のヘルメットに付いていた小型カメラで撮影され、5日に回収された。音声はなかったが、離陸時から事故までの様子が記録され、機外の様子が映っていた。同種の訓練は今年度13回目で、離陸前の点検で機体に問題はなかったという。【川辺和将、滝川大貴、稲垣衆史】

知人ら願い届かず

 願いは届かなかった--。犠牲となった9人を知る人たちは早すぎる死を悼んだ。

 元長野県消防学校校長の塚原富夫さん(68)は、事故で犠牲となった9人のうち、7人が教え子だった。「名前が明らかになるにつれ、一人一人の顔が頭に浮かんで、胸が締め付けられた。小口、高嶋、大工原……。みんな名前を聞けば顔を思い出してしまう」

 塚原さんは1979~2009年、消防学校で多くの消防士を育てた。指導役として年5~6回は同校を訪れていたパイロットの岩田正滋さん(56)=松本市神林=も旧知の間柄。「熟練で信頼できた。事故原因は分からないが、今後の教訓にしてほしい」と語った。

 長野市消防局から県に派遣されていた瀧澤忠宏さん(47)=松本市島内=は4月、同局に戻る予定だった。瀧澤さんは海外の災害に派遣される国際消防救助隊に登録するなど、意欲的に任務に取り組んでいた。同局の桜井篤次長(58)は「救助するはずの人たちが逆に救助されることになり、つらい思いをしたと考えると胸が痛くなる」と話した。

 大工原正治さん(42)=松本市神林=は、派遣元の佐久広域連合消防本部によると、00年の同本部発足と同時に消防士に採用された。04年の新潟・中越地震、11年の東日本大震災では現地に派遣され、救助活動に携わった。同本部の小平学消防長(58)は「先輩を立て、後輩を導く気配りができる人だった。本部に戻って力を発揮してもらいたかった」と惜しんだ。

 松本市神林に自宅がある整備士の清水亮太さん(45)は、妻、子ども2人の4人家族。近所の男性(69)は「子煩悩なお父さんだった。町内では先頭に立ってごみ拾いをする責任感の強い人だった」と振り返った。

 小口浩さん(42)=塩尻市広丘郷原、高嶋典俊さん(37)=松本市村井町南3=の派遣元、松本広域消防局も悲しみに包まれた。2人とも山岳遭難救助隊を希望し、念願かなっての県消防防災航空センターへの派遣中だった。「2人は優秀だった。本当に立派だった」。元消防局長で上司の男性はうつむいた。【武田博仁、西銘研志郎、安元久美子】

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