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軍事研究、大学に審査制度を 半世紀ぶり声明案

軍事研究を巡る日本学術会議の声明

 戦後否定した軍事研究を巡る声明を半世紀ぶりに再検討してきた科学者の代表機関・日本学術会議の「安全保障と学術に関する検討委員会」は7日、新たな声明案をまとめた。政府の介入で「学問の自由」が妨げられる恐れから軍事研究に懸念を表明し、利用のされ方も含め研究の適切さを審査する制度を各大学などに設けるよう求め、歯止めを狙った。声明に拘束力はないが、大学などの対応の指針となる。全会員が出席する4月の総会で決議される見通し。

     学術会議は1950年と67年に戦争目的と軍事目的の研究を拒否する声明を決議している。だが、自衛目的の研究は容認されると考える研究者もいるなど、解釈に幅があった。防衛省が公募して防衛装備品に応用できる先端研究を大学などに委託する「安全保障技術研究推進制度」を始めたのを機に、昨年6月から計11回の議論を続けてきた。

     新声明案は、過去2回の声明を「継承する」と明記。自衛目的や成果が軍事利用される可能性のある研究を含む「軍事的安全保障研究」という独自の用語を用い、「学問の自由及び学術の健全な発展と緊張関係にある」と指摘した。理由として、学術研究が政府によって制約や動員された歴史的経験を挙げ「政府による研究者の活動への介入が強まる懸念がある」とした。

     検討の契機となった防衛省の制度に対しても「学術の健全な発展という見地から問題が多い」と強調し、慎重な対応を求めた。ただ、軍事研究自体の是非や防衛省の制度への応募の可否は明記せず、幅広く解釈できる余地も残った。

     その上で、軍事的安全保障研究とみなされる可能性のある研究について、技術面や倫理面から適切かどうかを審査する制度を大学などの研究機関に設けるよう提言。各学会にもガイドラインを設けるよう求めた。

     検討委員長の杉田敦・法政大教授(政治学)は記者会見し、「防衛省の制度に対する表現は強い批判であり、否定的メッセージが強いと受け止めてほしい。今後は声明に実効性を持たせることが重要だ」と規制を強めたと強調した。【千葉紀和、阿部周一】

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