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タンチョウ

雪原に美しき舞 続く鳥インフル警戒 北海道

雪原で「求愛ダンス」を踊るタンチョウのペア=北海道鶴居村の鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリで、手塚耕一郎撮影

 雪原のタンチョウが鳴き、美しく舞うと、カメラのシャッター音が一斉に響いた。北海道鶴居村の鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ。保護活動の一環で、タンチョウに給餌している同施設には冬の間、早朝から大勢の写真愛好家が訪れる。

     タンチョウは国の特別天然記念物で、「北海道の鳥」にも指定されている。一時は狩猟などで絶滅寸前になったが、60年以上続く保護活動で道内の生息数は約1800羽まで回復した。夏は道東の湿原で過ごし、冬は9割以上が釧路地域で越冬している。

     環境省が業務委託している大規模給餌場は同施設など3カ所。その一つである釧路市の阿寒国際ツルセンターでは今冬、生のウグイの給餌を中止した。オジロワシとウグイを奪い合う姿が写真愛好家や観光客に人気だったが、今冬は高病原性鳥インフルエンザが流行したことから、ほかの鳥と接触する餌を取りやめたのだ。

     自然環境で生きる個体を増やそうと、大規模給餌場は昨年度から越冬地の分散化に着手している。餌のデントコーンを年1割ずつ減らし、5年間で半減させる計画だ。道が今年1月に行った越冬分布調査では過去最多の17市町村で確認され、釧路地域の分布割合が前年比約4%減少した。環境省釧路自然環境事務所は「餌への依存を解消したい。鳥インフルなど感染症の集団感染防止の効果も期待したい」と指摘する。

     現場からは「餌が少なく、ツルが弱っている。弱ると病気にもかかりやすくなる」(阿寒国際ツルセンターの河瀬幸館長)という声も。釧路市動物園でツルを担当する松本文雄園長補佐は「分散化は必要だと思うが、自然の餌はそんなにあるわけではない。十勝や根室など昔の繁殖地域でも給餌場を設ける取り組みが必要だ」と指摘する。

     タンチョウは現在、湿原などに移動し始めており、給餌場に集まる数は徐々に減っている。鳥インフルの感染例はないものの、これからは渡り鳥が北帰行する季節になり、ほかの鳥と接触する可能性も高くなる。優雅に舞うツルを眺めながら、関係者の警戒はもうしばらく続く。【手塚耕一郎】

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