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原発事故6年

牛舎に生きた証し 空腹乳牛が柱かじった跡

原発事故後に残されて飢えた牛によるはみ跡が残る牛舎の柱=福島県南相馬市で2017年3月9日、小出洋平撮影

 東京電力福島第1原発から20キロ以内にある福島県南相馬市の牛舎には、原発事故後の空腹をしのぐため乳牛が柱をかじったはみ跡が残されている。

 同市小高区の半杭(はんぐい)一成さん(67)は酪農家で乳牛約40頭を飼育していた。2011年3月の原発事故で家畜の移動が制限され、半杭さんは牛が周辺の田畑を荒らさないよう牛舎につないだまま家を離れた。牛たちの行く末は覚悟していたという。

 その年の夏、死んだ牛たちを葬るため動かした際にはみ跡を見つけた。えさが尽きても、何とか生き延びようとしたのだろう。地面から約60センチの高さまで、柱を歯で削ったような跡がはっきりと残っていた。

 震災から6年がすぎた。半杭さんは、牛を見殺しにした責め苦から酪農を離れたが、「牛たちを忘れないという思いで牛舎を残している」と話す。

 県立博物館は、原発事故を後世に伝えるため柱の型を取り、保存する方針だという。【小出洋平】

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