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2017年入試速報 私大総集編 本当の「いい大学」はどこだ サバイバル時代へ競争加速  

 今春は多くの有名私立大で志願者数が前年を上回った。中には開学以来最高を記録する大学もある。今春は、長く続いた“安全志向”がターニングポイントを迎える入試になりそうなのだ。

     私立大の志願者数は、昨年に引き続き5大学が10万人を超えた。3月1日現在で最も多いのは近畿大で14万6317人。5年間志願者が増え続け、4年連続の志願者数日本一がほぼ確定した。

     近畿大の広報部長、世耕石弘さんに志願者増の要因について聞いてみた。

     「近大マグロに代表される教育や研究成果を、産学連携の成果物として分かりやすく発信してきたことが、受験生に届いているのだと思います。実学教育の大学という認知が広まり、第1志望者が増えています。文高理低の出願傾向通り、文系学部の志願者が大きく増えましたが、理系学部も減っていません」

     志願者数ランキングは、2位も法政大で確定しそうだ。昨年、同大としては初めて10万人を超えたが、今春はさらに1万7230人増の11万9206人。現時点で近畿大に次ぐ増加数となっている。5教科6科目型のセンターC方式の志願者が増加したように、国公立大志望者の併願が増えていることが特徴で、初めて早稲田大の志願者数を超えた。

     近畿大と法政大ともに、通常規模の大学なら1校分に相当する志願者増となっている。志願者が大きく増える時は、学部新設など大規模な改革が伴うものだが、両校にはこれといった動きは見られない。

     では、なぜ1万人以上の大幅増となったのか。駿台予備学校進学情報センター長の石原賢一さんは、こう話す。

     「両校を軸として、上位と下位の両方の大学の志望者が視野に入れるという、大学が置かれたポジションも追い風になりました。もちろん、幅広い層の出願は大学の魅力があればこそです。対照的に、自大学のレベルより上位の受験生が少なく、下位層の出願も限られる早慶などの最難関大は、伸びしろが小さいのです」

     そうした状況の中、3位の早稲田大は7000人近い志願者増。文と文化構想が外部英語試験利用入試を導入したこと、さらに1都3県(東京、埼玉、千葉、神奈川)以外の高校出身者を対象とした事前予約型の奨学金の給付額が上がったことにより、地方の受験生が増えている可能性がある。

     明治大は3月募集を残しているが、現時点の順位は4位。大学全体の難易度が上がり、早慶のポジションに近づいたため、志願者が伸びにくくなっているようだ。

     日本大は昨年に引き続き10万人超えとなった。東洋大は情報連携、国際、国際観光の3学部を新設した効果もあり、前年より1万人以上多く、昨春更新した同大の最高志願者数を上回っている。中央大などは、昨春の志願者増により、敬遠する受験生が増えた影響のようだ。

     表にある通り、「志願者数ベスト20」のうち、現時点で志願者が減っているのは2校のみ。私立大の志願者が増えた要因として、18歳人口の増加や、理科の科目負担増により文系と理系ともに国立大離れが起きたこと、都市部の大規模大学が定員厳格化で合格者を絞り込み、浪人生が増えた影響などが挙げられる。

     さらに、駿台の石原さんは「保護者の意識の変化」をこのように指摘する。

     「今の受験生の保護者は、バブル崩壊後の不況期に大学を卒業した世代に変わってきました。高齢のニートや貧困問題がクローズアップされる中、少しでもいい大学に進学させたいという意識が強く、有名大を目指す傾向が強まっています。その結果、一定レベル以上の大学とそれ以外の大学の間で二極化が進みそうです」

     今春入試は、現役進学を優先して志望校選びで妥協するという、これまでの“安全志向”から、浪人してでも将来の不安が少ない大学を目指す方向へと潮目が変わる転換点になるというのだ。

     18歳人口が増えるのは今年が最後となり、2018年を境に急減期に入る。保護者の意識が変わる中、つかの間の踊り場である今春入試を経て、大学間のサバイバル競争は厳しさを増しそうだ。【大学通信・井沢 秀】

    *週刊「サンデー毎日」3月19日号より転載。私立140大学の合格者高校別ランキングは実際の誌面で確認してください。

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