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遊戯三昧

女性の「聞く力」が信頼に=杉山愛

 テニス界でも引退後に女性らしく輝ける人がもっといてもいいのではないかと思い、女性コーチをテーマに修士論文を書いた。順天堂大大学院のスポーツ健康科学研究科に入学してから2年。女性がコーチになるにはどのような条件や阻害要因があるのかを探った。

     テニスで世界ランキング100位以内の選手に付いている女性コーチの割合は、女子選手で10%、男子では3%にすぎない。女性は結婚や出産があるため、世界各国を回るツアーに同行し続けるのは難しく、コーチをやりたい気持ちだけではできない。

     論文を書くにあたり、世界100位以内の選手を指導する20~60代の女性コーチ8人にインタビューした。国はオーストラリアやオランダ、セルビア、日本、ロシアなどさまざま。そのうち5人は既婚者で子どもがおり、子が大きくなってからツアーを回る選択をした人や、子どもは小さくても家族の助けを得てツアーに同行している人もいた。

     それぞれ決断は大変だが、コーチをやりやすい環境をいかに自分で整えられるかが女性にとって重要だと感じた。

     彼女たちに共通しているのは、自己分析力の高さだ。全員がコーチとしてできることや苦手なことなどをよく理解した上で、何を提供できるかを考えている。自分が積み重ねてきた経験を生かして、選手をどのように成長させることができるかという長期的なビジョンも明確だった。

     3年前、アンディ・マリー(英国)が女子の元世界1位のアメリ・モレスモさん(フランス)とコーチ契約を結んだことが大きな話題を呼んだ。男子選手が女性コーチを付けるケースは少ないが、女性には母のような大きな愛情があり、男性以上に「聞く力」が備わっているように感じる。選手からすれば自分の気持ちを尊重してもらうことで、信頼関係を築きやすい部分があるのだと思う。

     私も1歳の息子がいるが、自分の経験を生かすためにも将来は指導者になりたいと考えている。そのために何をすべきなのか、具体的にイメージできた研究だった。【元プロテニスプレーヤー】

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