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デニーズ

1号店20日で閉店 4世代で通う客「寂しい」

「4世代目だね」と孫娘に語りかける豊島さん家族=横浜市港南区の「デニーズ上大岡店」で

1974年オープン横浜港南区の上大岡店 ファミレスの先駆け

 日本の外食文化の先駆けとなったファミリーレストラン・デニーズの1号店「デニーズ上大岡店」(横浜市港南区)が20日、閉店する。1974年のオープン当時は、扉を開ければ席まで案内してくれるウエートレスに、オープンキッチンやカウンター席といったアメリカンスタイルが目新しく、話題を呼んだ。店には連日、常連客や関係者が訪れ、別れを惜しんでいる。

 「あの時のおばあちゃんが、今では自分」。16日朝、豊島美知子さん(67)は、テーブルを囲む息子夫婦と孫娘の姿に目を細めた。オープンのころから、両親や夫、まだ小さかった息子の直(なおき)さん(35)と3世代でよく店に訪れた。その直さんが今、4代目となる孫も連れてくる。「今も昔も思い出の場所。なくなるのは寂しい」と惜しんだ。

 デニーズは米全土に展開する大手レストランチェーンとして日本に来た。上大岡店はショッピングセンター「イトーヨーカドー上大岡店」内に開店。県道そばで、屋上に駐車場を備える店舗は、車社会が浸透する中で、家族連れが気軽に入れるレストランの出発点として期待された。「アメリカのデニーズをそのままに」をコンセプトに、オープンキッチンや赤じゅうたん、テラスやソファ席と内装にこだわった。

 さまざまな外食文化も日本にもたらした。玄関口で客を出迎え、席まで案内するデニーズレディー、おかわり自由のコーヒー、10種21通りに注文できる卵料理や好みの焼き方が選べる肉料理--。デニーズ勤務37年の山口隆雄店長(59)は「じゅうたんを見て、入り口でぞうりを脱いでしまうおばあちゃんや、コーヒーのおかわりを阻止しようとカップを手で隠す方もいたらしいです」とほほ笑む。

 店にはかつての従業員も大勢訪れる。「最先端だったけれど、研修では『雰囲気を大切にしましょう』と習ったんだよ」。約40年前に1号店で研修を受けた相模原市の横尾俊行さん(69)は「外食だけど、ホームパーティーのような、家族が家でくつろぐあたたかな食卓を再現しようとした」と振り返る。暗記した接客や心得などの「デニーズテスト」を仲間と出し合い、思い出話に花を咲かせた。

 デニーズを運営するセブン&アイ・フードシステムズの元社長、塙昭彦さん(75)も来店。「ここはデニーズ発祥の地。木材もアメリカから持ってきた」と懐かしんだ。

 山口店長は「常連さんから『家族でいつも来ていたのよ』などと声をかけられると、うれしさと寂しさで涙がこぼれそうになる」と話す。17年勤めた従業員の及川真由美さん(49)も「今も町内会や婦人会の憩いの場。なくなってしまうのはショックすぎて言葉にならない」という。

新しい「接客」へ 別れの時は近づきつつある。山口店長は「昔は接客重視でお客さんからチップをもらうこともあった。今はスマートフォンを見つめ、接客を拒む人も増えた。これからは新しいスタイルが必要なのかもしれない」と話した。【国本愛】

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