メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

「偽卵」抱かせて繁殖ストップ 水戸市対策

千波湖に生息するコブハクチョウ=水戸市で2017年3月16日、玉腰美那子撮影

 多くのコブハクチョウが鳥インフルエンザウイルスに感染死した水戸市中心部の千波湖周辺で、同市が石こうでできた「偽卵(ぎらん)」をコブハクチョウに抱かせ、繁殖を制限する取り組みを始める。殺さずに個体数を徐々に減らし、インフルの拡散防止対策につなげる狙い。環境省によると、野鳥の繁殖制限は全国初の試みとみられ、注目を集めそうだ。

 千波湖のコブハクチョウは、滋賀県彦根市から「友好の証し」として1970年に贈られたひとつがいが繁殖したもの。幕末期に大老、井伊直弼が水戸浪士らに殺害されて以来の「わだかまり」を乗り越えようとの狙いで、昨年11月半ばには48羽に増えていた。

 ところが、同月末に鳥インフルのウイルス感染が発生した。市はコブハクチョウが移動してウイルスを広げないよう羽の一部を切除しようとしたが、数の多さに断念。今年1月下旬までに30羽が次々死に、「野鳥監視重点区域」に指定された。

ハクチョウに偽卵を抱かせる取り組みのイメージ

 指定は今月11日に解除されたが、野鳥のコブハクチョウは水戸市のシンボル的存在として市が給餌し、実質的な飼育下にある。市は、今後コブハクチョウが感染源となり周辺の養鶏場などに広がれば責任も問われかねない、と懸念を抱いた。

 そこで思いついたのが偽卵を抱かせる作戦。営巣で温められている卵を見つけては、石こうでできた本物と同じサイズ(縦の長さ10センチ前後の楕円(だえん)形)の偽卵にすり替える。コブハクチョウは1度に5個前後の卵を産むとされるが、巣に卵がなくなると再び産卵する。だが、本物の卵だと勘違いすれば新たに産むことはないという。来週にも鳥獣保護法に基づく茨城県の許可が下りる見込みだ。

 市は許可され次第、職員らによる手作りの偽卵生産にとりかかる。繁殖最盛期の4月には作戦を開始し、自然減も考慮してまずは数年かけて10羽前後まで減らし、その上で鳥インフルが発生した場合は隔離するなどして拡散を防ぐ計画だ。

 動物の繁殖抑制をめぐっては、名古屋市の東山動植物園などでも飼育鳥に施してはいるが、環境省・動物愛護管理室は「野鳥での事例は聞いたことがない」と驚いている。【根本太一】

関連記事

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 森友学園 自民、安倍昭恵夫人のメール文面公表
  2. 森友学園 不満ぶちまけ籠池節 「私人の喚問異常」 記者会見、厳しい質問かわす
  3. 福岡人志 松本人志の福岡ロケ番組第6弾 太宰府の魅力を再発見
  4. 堺・私立中 「保護者会退会で娘が疎外」父、賠償求め提訴
  5. 森友学園 首相夫人がフェイスブック掲載したコメント全文

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

[PR]