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はたらく

社員事情に柔軟、会社も成長

打ち合わせをする栢孝文社長(右)と花岡大樹さん=東京都大田区のシグナルトークで

 <くらしナビ ライフスタイル>

     企業が個人のライフスタイルに応じた勤務条件を提供する動きがある。社外や少ない日数の勤務を認めたり、副業を自由化したりする。人手不足のなか、時間や場所に制約のある人材を生かし、自社の成長につなげようとする機運が出てきた。

     起床したらカフェに行って仕事し、今日はこれぐらいかなと思えば切り上げて自分の時間を過ごす。ゲーム開発会社シグナルトーク(東京)のプログラマー、花岡大樹さん(36)は「自分に合う働き方が実現できている」と話す。

     ●出社は週1回

     2006年の創業当初から開発の中核を担ってきたが、10年に「自由に働くほうが会社に貢献できる」と提案し特別に在宅勤務が認められた。出社は週1回。社外でも活躍し、ゲームの基盤プログラムのライセンス供与は500を超える。「才能が開花した」と社長の栢孝文(かやたかふみ)さん(42)は振り返る。「ベンチャーなのに、会社に来なくちゃいけないなんて、ありえないっすよ」。4年後の14年、人材採用をテーマにした会議で、その花岡さんの言葉に栢さんははっとさせられた。

     一時は残業が恒常化し、家庭の事情で離職する社員も出るなど、勤務のあり方には問題意識があった。なにより成果が大きいことは花岡さんが証明済みだった。約40人の社員に意見を求め、1カ月後には個人の事情に合う働き方ができる「フリーワーキング制度」を導入した。社外で仕事できるリモート勤務や、子育て・介護などに応じ週3日からの少日数勤務が選択できる。リモートは花岡さん以外に親の介護に向き合う2人が手を挙げた。

     現在は残業時間はほぼゼロに近いが、効率化が進んだことで売り上げは伸びている。社員全員参加の経営会議や利益の半分を社員で分けあう報酬制度など独自の取り組みも以前から進める。栢さんは「生き生き働ける環境があれば結果的に会社は良くなる。クリエーターの理想郷にしたい」と話す。

     ●副業で知見アップ

     ネットで個人に仕事を発注するクラウドソーシングの大手、クラウドワークス(東京)で広報を担当する稲増祐希(いなますゆき)さん(29)は昨夏から東京都内で日曜限定のカフェを経営する。以前から興味があったが「顧客との対話は本業にも役立つ」と感じている。

     同社は昨年7月、社員130人を対象に原則週3日までのリモート勤務と副業の自由化を導入した。リモート勤務は半数が利用し、副業は約20人が手がける。

     「今まで働けなかった人を受け入れ、社外ではスキルや知見を高めてほしい」。最高財務責任者(CFO)の佐々木翔平さん(32)は説明する。同社は「個の力を最大限活性化する」をビジョンに掲げ、時間や場所にとらわれない働き方を提供しており、社内でもそれを体現化する位置づけだ。「福利厚生ではない。多様な働き方によって生まれた価値が事業を成長させる」と佐々木さんは言う。

     ●制約あっても

     画一的な勤務条件では、時間や場所に制約がある人材を排除することになり、その力をみすみす引き出せないでいる。そこに気づいた企業は社員の個々の事情に合った環境づくりに乗り出した。転職サイト「リクナビNEXT」の藤井薫編集長は「ライフフィットな働き方が進んでいる」とみる。

     大企業も例外ではない。リクルートキャリアが1月に開いた女性対象の転職フェアでは、配偶者の転勤や子育て・介護など、時間や場所の制約がある転職希望者に柔軟に対応しようとする姿勢が目立ったという。藤井編集長は「求人市場では主権が企業から個人へとシフトしつつある。人材を生かすジョブフィッティングが求められている」と話す。【渡辺精一】

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