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新聞で学ぼう

紙面の品質管理、校閲の仕事 毎日新聞デスク講師にイベント開催

校閲の仕事について語る毎日新聞東京本社校閲グループの大竹史也デスク=横浜市中区で

 新聞社にはさまざまな部署がある。記事の取材、執筆を担当する記者が目につきやすいが、その記者の「国語の先生」のような役目を務めている人たちもいる。「校閲」といわれる部門の社員だ。日本新聞博物館(ニュースパーク、横浜市中区)で2月25日、毎日新聞東京本社校閲グループの大竹史也デスク(44)を講師に校閲の仕事を紹介するイベントが開かれた。

     ●テレビドラマで注目

     「校閲記者の手仕事」と題して大竹デスクは約50人の参加者を前に、校閲の仕事について「紙面に掲載する記事に誤りがないようにする『品質管理』の役目。記者の違いによる書き方のばらつきを抑えたり、新語の使い方を検討したりする」と説明。出版社の校閲の担当者が主役のテレビドラマが昨年に放送され、スポットライトを浴びたが、新聞社は出版社と異なり、「1日に締め切りが何度もあり、時間がタイト」と話した。

     内容が多ければ多いほど、専門的であれば専門的であるほど、記者だけで間違いのない記事を掲載することは難しい。各新聞社はそれぞれに「用語集」を製作。校閲はこれを活用して言葉の使い方に誤りがないかをチェックする。しかし、時代の流れにあわせ、点検のあり方も変化。大竹デスクは「調べものは2000年ごろを境に大部分をインターネットでするようになった」と明かした。

     記者はどのような間違いを犯しがちで、校閲がどのような指摘を行っているのか。具体例も示された。一つ目は「洋数字と漢数字の使い分け」。紙面で「3日かかる仕事」というときは洋数字で、「三日坊主」という場合は漢数字になる。「そういえば」とうなずく参加者。大竹デスクは「数量を表すときは洋数字、それ以外は漢数字という原則がある」と強調した。

     「超低金利」が「朝廷金利」のような記者として顔を覆いたくなるパソコンによる漢字の変換のミスも紹介された。新聞は幅広い年代の読者を想定しており、使用する漢字は基本的に常用漢字表の範囲内だ。「覚醒剤」の「醒」は10年の常用漢字の改定で記事に使用可となったが、「覚せい剤取締法」という法律名の「せい」は依然、ひらがなとなっている。固有名詞の誤りも多いという。

     ●書かれる側への配慮

     「新語」への対応に関する解説もあった。大竹デスクが「LGBTなど性的少数者」についての記事や見出しに対して、担当者に戸籍上の性別を重視するのでなく、「当事者」と書き換える案を示した経験を伝えると、参加者の表情が引き締まる。「書かれた側を傷つけない配慮」が根底にあるという。一方、「武装集団」に交じって「武将集団」が現れる原稿が紹介されると、会場から笑い声が上がった。

     ●参加者も挑戦

     ところどころに誤りが埋め込まれた「ダミーの1面」を使っての校閲の体験もあった。参加者は15分で約20カ所の間違いさがしに挑戦した。実際の作業のように赤いペンを片手に、紙面で誤りを正していく参加者。「政策」と「制作」の誤変換などは見つけやすかったが、「19日の朝刊に、19日の日中に行われたイベントの記事が掲載されている」という日付のミスのような部分は見落とされがちだった。

     日本新聞博物館による参加者へのアンケートでは、「普段は目にしない仕事の内容を知り、新聞を丁寧に読もうと思った」(10代女性)▽「改めて『正しい』言葉とは何かと考えさせられた」(10代女性)▽「一口に校閲といえども、さまざまな観点で間違いを発見しなければならないと分かった」(20代男性)▽「限られた時間で緊張感のある仕事と思った」(20代女性)--などの感想が寄せられたという。

     この催しは、来館者と報道関係者、ニュースの当事者らが気軽に語り合い、新聞やニュースへの関心を高めてもらおうと日本新聞博物館が企画したイベント「ニュースカフェ」の第1弾。今後も継続的に実施するという。【水戸健一】

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