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要件絞り閣議決定 テロ対策、野党「乱用の恐れ」

 政府は21日、組織犯罪を計画段階で処罰可能にする「共謀罪」の成立要件を絞った「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案を閣議決定した。各国が協力して組織犯罪を未然防止する「国際組織犯罪防止条約」締結のための法整備が目的。政府は2020年の東京五輪・パラリンピックに向けたテロ対策の一つと強調し、今国会中の成立を目指すが、野党側は「捜査当局の乱用の恐れがある」などと反発している。

 同条約は国内で「重大犯罪の実行の合意」を犯罪化することを求めている。このため、政府は03~05年に「共謀罪」新設の関連法案を国会に3度提出。当時の法案は適用対象を単に「団体」とし、犯罪を合意(共謀)しただけで処罰できる内容だったため、「一般の民間団体や労働組合も対象になる恐れがある」などと野党が批判し、いずれも廃案になった。

 こうした経緯から、テロ等準備罪は、適用対象を重大な犯罪の実行を共同の目的とした「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」と条文に明示。凶器購入の資金調達や犯行現場の下見といった犯罪の「実行準備行為」を新たな要件に加え、犯罪の合意を「共謀」から「計画」に言い換えた。その結果、組織的犯罪集団の活動として、2人以上で具体的で現実的な犯罪計画を作り、計画に基づいた準備行為があった時点で初めて処罰できるように要件を厳しくした。

 テロ等準備罪は「呼称」の位置付け。2月末に与党に示した改正案には条文に「テロ」の文言がなく、野党側から「テロ対策との印象操作だ」などと批判されたため、組織的犯罪集団の例示として「テロリズム集団」を加えた。対象犯罪は当初の676から組織的犯罪集団の関与が現実的に想定される277に絞り込んだ。

 条約は00年に国連総会で採択され03年に発効。日本も同年に国会承認した。現在、187の国・地域が締結しており、経済協力開発機構(OECD)の加盟35カ国で未締結は日本のみ。政府はテロを含む組織犯罪の未然防止に向けた国際協力の枠組みに入ることで、捜査共助や逃亡犯罪人の引き渡し、組織犯罪関連情報の入手などが容易になるメリットがあるとしている。【鈴木一生】

■テロ等準備罪を新設する改正案の骨子

犯罪主体 テロリズム集団その他の「組織的犯罪集団」の団体の活動として、当該行為を実行するための組織によるもの

対象犯罪 (1)テロの実行(2)薬物(3)人身に関する搾取(4)その他の資金源(5)司法妨害--の5分野277個

実行準備行為 計画をした者のいずれかにより、その計画に基づく資金または物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為

法定刑 死刑や10年を超える懲役・禁錮を定めた犯罪の計画は「5年以下の懲役・禁錮」、4年以上10年以下の懲役・禁錮を定めた犯罪の計画は「2年以下の懲役・禁錮」

 犯罪の実行着手前に自首した場合は、刑を減軽または免除

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